プロ野球審判員の厚生年金継続… | もっと知りたい労働法!

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東京都町田市を拠点に両立支援、労使トラブル、障害年金などに対応、『悩み』を『戦略』に変える労務管理を提案する特定社会保険労務士櫻井三樹子のブログです。日々の疑問や矛盾と戦います!!たまに日本酒でまったりします。

プロ野球審判員と日本野球機構(NPB)の団体交渉が8日、東京都内であり、厚生年金の継続を求める審判員側は、20日を交渉期限とし、妥結しなければ同日の試合からストライキを行うことをNPB側に通告した。ストの期間は未定。

NPBは社会保険事務所の指導により、国民年金への切り替えを通告している。この日は、労使で厚生年金の継続を同事務所へ要請することを確認した。NPBの下田邦夫事務局長は「不幸な事態は避けたいので最善の努力をしていきたい」と話した。次回の交渉は15日にある。
(朝日新聞)

一般に厚生年金は会社員のように会社に雇われる労働者のための年金制度で、それ以外の人は個人事業主などのための国民年金に加入することになっています。

中央社会保険事務所(中央区)の指導によると、審判員は請負契約の性格が強いとして、国民年金への切り替えを通告してきたということです。審判員は請負契約だから、一人一人が個人事業主で「NPBが労働者として雇っている労働者として扱うのはダメ」ということですね。

今まで約50年間、プロ野球審判員は厚生年金の適用として扱われてきました。しかし、保険料の算出基礎となる標準報酬月額に出場手当が入っていなかったなど、過少申告が明らかになりNPBは契約内容が精査したところ、社会保険事務所から「請負契約の性質が強い」と判断されこのような指導を受けているということです。

審判員側はもちろん厚生年金の適用を継続してほしいという交渉をしています。
NPB側も厚生年金適用になる方向で最善の努力をするということですから、契約書内容の改定などで、請負契約でなく雇用契約という性質を明らかにするということが大事ですね。また、標準報酬月額もコンプライアンスを重視して適正に算出しなければなりません。

プロ野球の試合で適正なジャッジがなければ、いくら素晴らしい選手がプレーをしていても面白くありません。NPBと審判労組の交渉が良い方向へ進むことを期待します。

ところで、プロ野球の審判員の報酬は平均1280万円!ここには宿泊費や交通費も含まれるということで手取りは決して多くないということですが…。問題になっている出場手当はセリーグ1試合あたり塁審で3万4000円、試合が5時間を超えるとプラス1万円だそうです。プロ野球ファンとしては、試合が長引くと「選手はきついだろうな~」とか「帰ろうかな?」「眠いな~」など思いますが、審判員の皆さんは「今日も5時間超えた!プラス1万円!」なんて思っていたりして…

sakurai


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