今日は労働一般常識の、出題傾向や特徴、学習上のポイントについてお送りします。

1.科目の概要

 1)出題範囲

  労働一般常識は、以下の3つの分野から出題されます。

  a)労働関係諸法令
  b)労働経済
  c)労務管理

 2)出題傾向

  労働関係諸法令、労働経済からの出題が中心であり、特に近年は、
  労働経済の出題が増加しています。しかし、平成23年度の本試験では、
  過去10年以上出題のなかった「労務管理」が選択式で出題されました。

  <平成23年度>
   ・選択式:労務管理×5点
   ・択一式:労働関係諸法令×10肢、労働経済×15肢

  <平成22年度>
   ・選択式:労働関係諸法令×5点
   ・択一式:労働関係諸法令×5肢、労働経済×20点

  <平成21年度>
   ・選択式:労働関係諸法令×5点
   ・択一式:労働関係諸法令×12肢、労働経済×13肢

  <平成20年度>
   ・選択式:労働関係諸法令×3点、労働経済×2点
   ・択一式:労働関係諸法令×16肢、労働経済×9肢

  <平成19年度>
   ・選択式:労働関係諸法令×5つ
   ・択一式:労働関係諸法令×9肢、労働経済×16肢

 3)難易度

  a)択一式

   近年は「労働経済からの出題が多く」、難易度が非常に上がっています。
   しかし、一般常識科目は、社会保険一般常識と併せて10点分が出題
   されるので、労働一般常識は1~2点で十分といえます。

  b)選択式

   平成23年度のように、「合格率の調整弁」とされることもあります。
   難易度が高い年であっても、科目基準点が引き下げられないという
   特徴があるため、2点以上の失点が許されません。


2.学習上のポイント

 1)労働関係諸法令

  基本事項や改正事項をしっかり確認しましょう。
  また、目的条文に限らず、「選択式」を意識した学習が重要です。

 2)労務経済

  自ら白書を読んだり、その他情報収集をする必要はありません。
  近年は、各種統計や調査、労働経済白書「以外」の白書からの出題が
  増加しており、自ら情報収集するのは「非効率」だからです。
  予備校の「白書対策講座」を利用することをお勧めします。

 3)労務管理
  
  テキストに記載されている「用語」と「意味」をしっかりと押さえる
  ようにしましょう。専門書を読むなど、突っ込んだ学習は不要です。
  同じカテゴリーの用語の意味を、比較しながら押さえてください。


3.選択式対策

 1)穴を作らない

  選択式は、「法令」「労務管理」「労働経済」という膨大な範囲の中から、
  たったの5点分しか出題されません。
  出題されるのかを予想することは困難であり、テキスト等で強調されている
  「重要なキーワード等」はしっかり押さえるようにしましょう。

 2)思考力が問われることも

  平成23年度や、平成22年度のように、予想もしないような範囲や切り口からの
  出題も散見されます。しかし、前後の文脈や法の目的から推測するなどの
  「思考力」を駆使すれば、対応できる出題が数多くあります。
  特に、「妥当性」が低い選択肢は「×」となります。
  「過去問学習」などを通じて、暗記だけが正解を導く手段ではないことを
  体感しておくことも重要です。

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~本日の論トレ(論点トレーニング)~

以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!

<平成22年度 労災保険法 第8問E>

継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、
増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算
保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納するこ
とができる。

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誤り箇所の指摘だけではなく、正しい「解説」を加えてくださいね!

では、誤っている箇所を>赤字・下線で示します。

継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、
増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算
保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納するこ
とができる


増加概算保険料の延納は、「当初の概算保険料を延納する事業主」、
に限られるため、本肢の場合には、増加概算保険料は延納できません。

なお、この考え方は、「追加徴収による概算保険料の延納」
においても同様です。


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