今日は、メルマガの読者の方からいただいた幾つかの質問を、
Q&A形式にて公開させていただきます。

今回のご質問は、社労士試験の択一式の攻略を考える上で、大変示唆に富んだ
良いご質問でしたので、公開させていただきます。

ご質問いただいた方、有り難うございました<(_ _)>

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<Question>
解雇予告手当は・・・・・賃金ではない。
とありますが、これが就業規則に明確に記載されていれば
賃金という考え方で良いですよね?


<Answer ※一部加筆※
解雇予告手当は、たとえ就業規則に支給条件等が記載されている
場合であっても、賃金とはみなされません。

解雇予告手当は、労働の対償とは言えませんし、その支払条件等は、
就業規則で決めるものではなく、労基法や行政解釈等により決められて
いるためです(また、そもそも任意・恩恵的なものとも言えません。)。

         (回答はここまで)

今回のご質問のように、複数の論点を組み合わせて考えると、
結論が分からなくなる場合
があります。

 1)解雇予告手当は賃金ではない

       VS

 2)労働の対償とは言えない、任意・恩恵的性格のものであっても、
  就業規則でその支給条件が明示されているものは賃金に該当する
  (ただし、解雇予告手当は任意・恩恵的なものではありませんが。)

当然の疑問かもしれませんが、試験対策上は、あまり複雑に考える必要はありません。
理由は、そのような出題は考えられないためです。

判断が難しい代表的な事例は「通達」や「行政解釈」として示されており、
試験対策上は、過去に出題された「通達」や「行政解釈」について、
しっかりと理解しておけば十分です。

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<Question ※一部編集※
今年の労災の択一の問4のE枝ですが、
「遺族となるべき者を故意に死亡させた者のみ・・・」
条文と「のみ」の部分が違うとは言うのはわかります。
テキストでは「は」になっていますから、
この部分だけで誤りと考えてよろしいのでしょうか


<Answer>
おっしゃるとおり、選択肢の表現が「のみ」ではなく「は」と
なっていれば「正しい」選択肢となります。

しかし、条文表現との違いに着目するのではなく、選択肢のような、
労働者の死亡前に先順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者以外にも、
遺族(補償)年金を受けることができない者がいる点に着目しましょう。

具体的には、次の者は遺族(補償)年金を受けることができる遺族になりません。

 1)労働者を故意に死亡させた者
 2)労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によって、遺族(補償)年金の先順位
  又は同順位の受給資格者となるべき者を故意に死亡させた者

つまり、選択肢で書かれているのは、2)の一部だけということになります。
したがって、「誤り」の選択肢となるわけです。

         (回答はここまで)

択一式試験では、「条文の表現と一致しているかどうか?」
という観点から正誤判断を求める出題は、ほぼありません


本肢も、条文表現という観点から正誤判断することもできますが、
それでは全ての条文を丸暗記せねばならず、応用力もつきません。

ですから、規定を覚える際も、問題を解く際も、

・規定の意味や趣旨(←今後はこれがかなり重要だと考えています)
・例外規定
・実施主体
・対象者
・要件
・数値(期間、期限、金額・・・)
・結論

などを意識しながら取り組むことをお勧めします。

択一式では、これらを引っ掛けてくるためです。

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~本日の論トレ(論点トレーニング)~

以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!

<平成21年度 第2問A>

労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、
労働基準法で定める基準より労働者に有利なものも含めて、無効となる。

           ・
           ・
           ・
           ・
           ・
           ・
           ・

誤っている箇所を赤字で示します。

労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、
労働基準法で定める基準より労働者に有利なものも含めて、無効となる。

法13条(労働契約)により、

1)基準を下回る「その部分」のみが無効となる
 つまり、労働契約全体が無効になるわけではない。
2)「その部分」は労基法の基準に修正される(強行法規的性質)

とされています。



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