神戸の社労士:マサ井上です!
基本的には、労働条件は会社と社員が対等に合意したものであるため、
会社が一方的に条件を不利益に変える行為は制限されます。
しかし、経済事情や会社の財務状態、社員の不公平是正などの必要から不利益な変更をしなければならない場合もあるでしょう。
では、どのような場合に不利益変更が認められるのでしょうか。
ポイント:
不利益変更に関するポイントは以下の通りです。
① 労働者の同意を得ずに、労働条件を一方的に不利益に変更することは原則としてできません。
② ただし、労働条件を不利益に変更することについて合理的な理由がある場合には、有効とされることがあります。
社員全体に影響する事案の場合、不利益変更が合理的なものであれば、これに同意しない労働者も拘束されます。
合理的とはどういうことか:
「当該規則条項が合理的なものであるとは,当該就業規則の作成又は変更が,
その必要性及び内容の両面からみて,それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても,
なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。
特に,賃金,退職金など労働者にとって重要な権利,
労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については,
当該条項が,そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において,
その効力を生ずるものというべきである。」
このように言われています。
合理的かどうかを判断する方法:
上記の合理性の有無は,具体的には,次の事情等を総合考慮して判断すべきである。
l 労働者が被る不利益の程度
l 使用者側の変更の必要性の内容・程度
l 変更後の就業規則の内容自体の相当性
l 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
l 労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合又は他の従業員の対応
l 同種事項に関する我が国社会における一般的状況等
となります。
経常利益が上がっているのに、「景気が悪いから」というのは、無理だと思いますね。
労務プランニング オフィスINOUE