烏賊です。
昨日の虫歯をいまだに引きずっています。
神経をとるための治療で、僕の奥歯は大半が削り取られ、隙間に詰め物が詰められています。
長年付き合ってきた友人を失ったような気分です。
神経がないので水がしみません。というかこれまでしみていたことに今になって気づきました。
素直に喜べません。
昨日は大量に飲酒しました。これをやけ酒というのでしょうか。
おかげで今日は昼過ぎくらいまで人の形をした抜け殻になっていました。
抜け殻とか書くと虚しさ感が2割増になりますね。
昼過ぎからはやっと起き上がれるようになったのですが、今日は土曜日だとはたと気がつきました。
起き上がる必要がないですね。
普通に作業するつもりでしたが、休みの日くらいサボるのもいいものです。
というわけで、今日は読書をしました。
ずっと読みたかった松本清張「点と線」です。
確か初版は1950年代で、結構古い本です。
内容はミステリで、西村京太郎的な時刻表トリックが出てきます(まあ西村京太郎の方が後なんでこの書き方は正しくないですが...)。
全部で200ページくらいで、結構あっさり読めました。
名著はやはり文体が時代を感じさせないなあと思います。
ネタバレは伏せますけど、個人的には出てくる鉄道のノスタルジック感がたまらんかったですね。
当時は夜行列車が多く走っていて、有名な昭和36年10月(サンロクトオ)のダイヤ改正前夜の急行全盛期でした。
特急列車は数えるほどしか走っておらず、小説中に登場する夜行特急「あきかぜ」もそんな「夢のスーパー超特急」的な位置付けでした。
それでも東京から博多まで17時間かかるんですけどね。今なら鈍行を乗り継いでも延べ乗車時間はどっこいどっこいです。
ちなみに余談ですが、下り(上り)「あきかぜ」は夕方に東京(博多)を出発して翌朝に博多(東京)に到着するダイヤ設定でした。
このタイムテーブルだと、首都圏九州間の移動がしやすくなる一方で、京都大阪を真夜中に通るということになってしまいます。
これに関しては関西側からの反発が大きかったようですね。
まあ実際のところ、この運用で「あきかぜ」はそれなりに成功することになります。
小説中に「あきかぜに乗って(東京から)京都に行く」というような表現が出てくるシーンがあるのですが、上の話を踏まえると若干違和感のある発言と言えます。
まあそれはさておき。
流石に時刻表トリックの古典というだけあってタネは結構オーソドックスなものでしたが、するする読めて面白かったです。
後、当時の夜行列車の様子が伝わってくるのが個人的にはめちゃくちゃどストライクでした。
東京から列車と青函連絡船を乗り継いで札幌まで行くシーンとか最高でしたね。
交通網が発達するにしたがって、目的地にのんびり向かう夜行列車は淘汰されてしまいました。
これから列車界隈はより一層つまらなくなるのだろうと思います。
今のうちに乗り鉄しておきたいものです。