運がいい悪いという言い方をよくします。それは何となく変えようのないものと捉えられていて、人間の力が及ばない世界のように思われがちです。しかし運というものは、実は自分自身で変えられるものだということを知っておいてください。
「ご縁」という言葉があります。人間関係、仕事、恋愛、結婚、私たちはご縁を結んだからこそ関わり合うことができる。私たちはそれを「因縁を結ぶ」という言い方をします。
「因」というのは「原因」のこと。何か原因があるから、ご縁を結ぶことができる。そして善きご縁を結ぶには、その原因を作り出す普段の努力が大切ということです。
また、ご縁というものは万人に平等にやってくるもので、例えれば、それは風のようなものです。誰のところにも風は平等に吹く。その風を自分が持っている帆で受け止められるかどうか。
風が吹いた時、帆をピンと張っていなければ船は前に進みません。それゆえ日頃から帆を張っていなければならないのです。ならば仕事などで帆を張るにはどうすればいいのか。それには初めに訪れた小さなチャンスを見逃さないことです。
上司が「誰かこの仕事をやってくれないか」と言ったとします。あまり重要な仕事ではなく周囲もやりすごそうとしている。その時に、真っ先に手を上げ、「私にやらせてください」と言う。
小さな仕事。それはそよ風のようなものかもしれない。それでもその風を受け止めて、少しでも前に進もうとする。そういう姿勢こそが大事です。
初めに受け止めたそよ風は、やがては大きく力強い風になっていきます。つまりは、どんどん大きな仕事を任されるということになるのです。
この状態を称して「縁起がいい」というのです。 縁起と言うのは、字の如く「一つの縁を起こす」ということです。
つまり、ご縁を結ぶ行為を始めるという意味でもあります。ですから最初の縁は大事にしなければなりません。
最初にいい縁を結べば、次々にいい縁が訪れます。最初の小さな仕事であっても一生懸命取り組めば、必ずや重要な仕事が任されるようになるものです。
逆に、初めに悪い縁を結ぶと、その縁はあなたを悪い方向へ引きずっていきます。
損得勘定ばかりで仕事をしていれば、やがて自分の周りには損得しか考えない人間しかいなくなる。それでは幸せな人生にはなりません。
「自分は仕事の運や縁に恵まれない」と嘆く人がいますが、恵まれない原因は誰のせいでもなく、「その人自身の縁の起こし方」にあるのです。
日頃から怠らず努力を重ねることです。いつ小さな風が吹いてきても受け取れるよう、柔軟な心をもつことです。
人間関係もしかりです。あの人と一緒に食事がしたいな。そう思っているのなら、真正面からぶつかることです。
心を込めてぶつかってみる。断られることを怖がってはいけません。もしうまくいかなかったときには、その人とはご縁がなかったと思えばいいのですから。縁というものは、自分自身が生み出すものです。
「頭が冴える禅的思考」より
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