昔、中国のある詩人が、都会での生活を離れ、山の奥に分け入っていきました。
気持ちのよい風が吹き、その風が松の枝を揺らし、美しい音を立てています。
さらに山の奥へと進んでいくと、谷川があり、清らかな川が流れています。
「俗世間から離れて、自然が豊かな場所でのんびりしていると、なんとも気持ちがよくなってくるものだ」と思い、詩人がいった言葉が次のものです。
「百年の愁い忘却す」
「長年、私を悩ませてきた問題などすっかり忘れ去ってしまった」という意味です。この言葉は、禅の世界でもよく用いられます。
悩み事があると、夢の中でも悩んでしまうことがあります。ですが、そんなときこそ、いったん悩みから遠ざかってみなさいというのです。

「いったん遠ざかる」とは、たとえば、人間関係がこじれている相手とは、しばらくの間、会わないようにするということです。
会わないのが難しければ、なるべく関わらないようにしてみます。そうすることで冷静になり、状況を客観的に見直すことができるのです。
お互いに感情的になり過ぎていたことに気付いたり、冷静に解決策を考えたりできます。相手が、自分にとって、とても大切な人であることを再認識することもあるでしょう。
また、仕事で悩みがあるのなら、いったん仕事のことは忘れて、旅に出るなどして気ままに遊んでみるのです。新鮮な視点で、いい解決策を見出せるはずです。
悩み事から、いったん遠く離れてみる
「いいこと」がいっぱい起こる!禅の言葉より