3連休も終わりを告げ、明日からは、また日常が始まる。
気が付けば、もう10月も中旬になっている。
今年も残すところ、あと2か月と半月少々だ。
正月に立てたはずの年間計画の進捗は、遅れ気味に推移している。
「光陰、矢の如し」とはよくいったものだと思う。
誰も時の流れに逆らう事はできない。
我々は、過去から現在そして未来というように、時間は未来に向かって流れているような感覚を持って生きている。
が、何も時間の感覚は、人間だけが持っているわけではない。
ソメイヨシノは春になると、花を咲かす。
朝顔の種は、芽を出し、そして夏には花が咲き、種を残す。
秋には、楓は、真っ赤に染まり、銀杏は黄色の葉とともにギンナンの実を落とす。
そして越冬のために、熊やカエルたちは、冬眠に入る。
彼らも、また時間の流れの中で、生きているのだ。
太古の時代から、変わらない事、それは生きているものは、いずれ死を迎えるという事であろう。
その事実は、今のところ、厳然と我々の前に存在している。
病や突発的な事故、そして争い事や戦争が原因で、今もこの瞬間、地球上で多くの人々が死んでいる。
しかし、2006年に京大の山中教授により、画期的な発見がなされた。
いわゆるiPS細胞という「タイムマシン」だ。
自らの細胞の中に初期化する能力がある事を証明した。
皮膚の細胞から臓器を作成することも可能となる万能細胞は、将来、我々から病というものを消してしまうかもしれない。
さらに老化もそして病による死すら無くしてしまうかもしれない。
我々は、すでに病死を超越する可能性すら、手に入れてしまったのかもしれないのである。
全人類が、老いと病から解放されて、若々しいまま、ただ年齢だけが増えて行く社会。
そして膨大な記憶を持ち続けて、生き続ける人々。
クローン技術は、すでに神の領域を超えたと言われている。
近い将来、人間が人間の死を制御する社会が到来するかもしれない。
ある年齢が到来したら、自殺するか、あるいは誰かに殺されるかどちらかを選ぶために悩む事となる。
だとすると、その時は、我々人間は、時間の流れを感じなくなっているかもしれない。
果して、今とどちらが幸せといえるだろう。