あるボランティア団体のNPO法人に所属して、かれこれ4~5年になる。
来年度の執行部の組織改編により、今日、新たな支部長を選出するための選挙が執り行われた。
2名が立候補し、我々22名の幹事たちが投票用紙に候補者の名前を記入する。
候補者は若手とベテランである。
投票の前に、各候補者からの演説を聞いた。
理想と現実、信念と覚悟、緊張と弛緩、両者の真剣な演説に思わず投票用紙に名前を記入する指先にも力が入る。
ベテランの候補者からの言葉のうちで、印象に残ったものがある。
ボランティアとは、元々自らの意志により参加した志願兵のことを指すという。
日本でのニュアンスとはかなり異なっている。
私は、奉仕活動ではあるが、何となくあまり責任がなく、個人の自由意志に基づいた緩い感じの組織をイメージしていた。
正直、今まで全く誤解をしていた。
自らの意志で戦場に向かう者であるならば、当然責任も付きまとうし、場合によっては命をも失う可能性がある。
ボランティアだからと無責任な考え方は通用しないのだ。
自主的に活動に参加をし、自己責任で仕事を全うする。
そのためには、やはり活動に参加する上で覚悟が求められるのは当然であろう。
候補者の話を聞きながら、今までの自分の活動を振り返り、恥ずかしい気持ちになった。
活動に際し、自分は覚悟をあまりしてこなかったからだ。
結局、選挙はベテランの候補者が選ばれて終わった。
私も彼の名を投票用紙に書いた。
新しいリーダーの誕生を目のあたりにし、久しぶりに清々しい気持ちになった。