世界と繋がっている限り、何事もなくゴールテープを切れることなんてない。
思いがけない出会い頭のアクシデントや、自分の力ではどうにもならない巨大な外力によって否応なしに進路が変えられてしまうことだってある。
そのような外力に対して抗うという手段をとることも出来るが、多くの場合、そういうものに対して個人は無力だ。悔しいことに。
ならば、余計な力を入れずに波に翻弄されていればいいのか、という問いに対しては、Noだ。
波に向けて舳先をたて「何」がやってくるのか、観測を怠らず情報収集に励み、そして自分がその波をどのように受けるのか、あるいはその波を利用して進路を自ら変えるのか、得られる情報の範囲で答えを出さなければならない。
だが、それほど思考を巡らせて答えを出した自分が、「なるようになるさ」と舵から手さえ離して昼寝でもしていたような人間よりもよい結果となるかといえば、必ずしもそうでない。
結局、各人の人生のシナリオは最初から決まっている。
何をしようが、するまいが。