客という立場は
ふつう、売り手あるいはサービスを提供する側より「強い」。
もちろん客は金を払うわけだから、
それに見合った対価を求める。
もしもその対価が不十分だったり、
客に責任がないのにその機能やサービスが損なわれれば
クレームをつける。
その不具合の度合いとか、客側の責任とか、
サービス提供者側の対応とか
いろんなバランスがあるのだけど、
やはり、自分の中でどうしても合点がいかないとき、
俺も(不本意ながら)クレームを付けることがある。
クレームを付ける目的は「鬱憤晴らし」ではない。
きちんと、その不具合を相手に認めさせ、
価格相応のものを引き出さなければならない。
自分が価格以上の「得」をすることが目的じゃないから
過剰な要求をするわけではない。
けれど、
中にはなんとかそのクレームを回避して
自分が損をかぶることを回避しようとする売り手がいる。
そういうときは、まず相手を見る。
相手がクレームに対する責任を負えない立場の人間なら
会話するだけ時間の無駄だ。
自分で背負い込むまいと、徹底的に拒絶されるか
上へ伝言するだけの「Yesマン」かのいずれかなのだから。
相手が責任ある人間であるなら、したたかに行く。
問題点を挙げ、その問題点を看過できないこと、
その問題の原因が当方の責任でないこと、
そして、
自分はそれ(またはそのサービス、あるいはその企業)が
大好きで、こんなことはさっさと水に流して
これからもいい関係でありたいことを主張する。
明るく、カラリとね。
「面倒掛けてすみませんね。」
くらいまで添えてやれば、
まともな担当者であればきちんとした対応で返してくる。
困った奴は、
愛社精神とかカスタマサービス精神が
まるで抜け落ちた担当者だ。
自社製品のファンが減ろうが、
悪い噂が立とうが俺には関係ないね
という奴は、徹底的に攻撃する。
もうそんなところの製品なんて二度買わないから
言いたい放題だ。
かつて
「なんで・俺が・顧客満足とか・仕事のやりかたを・
アンタに教育してやらにゃならんのだ」
と、言い放ったことがある。
最低な企業には最低の対応で構わない。
けど、
まともな企業に対しては
クレームをつけるときも
礼節を欠いてはならない。