優しいサンタはいつも欠かさずおくりものをくれる。
けれど
ある時気付いたんだ。
これは
「ぼくがほしい」ものじゃなくて
「サンタがプレゼントしたい」ものなんだ、って。
つまりサンタは
ぼくのことをよく見ていなかったんだね。
プレゼントを枕元に置いた時点で
彼は満足し、
そして行ってしまう。
12月25日の朝、
プレゼントを見つけた僕は
喜んで
「ありがとう、サンタさん」
と言うけれど
それは包みを開くまで。
ぼくの「願い」に
そもそも興味のないサンタさん。
いつしかプレゼントを待ち望まなくなった。
枕元に
「もう、プレゼントはいりません。」
と、置かれて初めて気付くだろうか。
それとも
何が不満なのか、と怒るだろうか。
でも、もういりません。
あなたに
ぼくの望みは届きそうにないから。