V3000S/SS M マウルティア 高背荷台+防水幌  Act.1 | 緋色の部屋  ~ A Space in Scarlet ~

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趣味の模型を中心に投稿していこうと思います。
よろしくお願いします。

今回は、

新製品です。

 

IBG 1/72

V3000S/SS M マウルティア 

高背荷台+防水幌 です。

“ V3000S/SSM MAULTIER HALFTRACK 

 with TALL CARGO BED and  TARPAULIN ”

 

 

原型になったのは、

第2次大戦時におけるドイツ軍のトラック

フォード V3000S です。
 

ドイツ フォード V3000型は、

有名なオペル・ブリッツに次ぐ生産量を誇り、

将兵の足として、また補給部隊の主力車輌として

ドイツ軍に欠かせない存在で、

同軍を陰から支えた重要なトラックでした。

 

当時の世界最大の自動車メーカーである

アメリカのフォード社は、

生産拠点として1931年にドイツに工場を建設

(フォード・ヴェルケAG、以下「ドイツ・フォード」)、

乗用車やトラックなどの生産が始まりました。

 

1933年にナチス党がドイツの政権を掌握すると、

ドイツは軍拡化を推し進める中、
アメリカ企業であるドイツ・フォードは、

商売としてドイツ軍に軍用トラックなどを納入し、

これはアメリカが第2次大戦に参戦する

1941年の12月まで続けられ、

その結果、同じデザインのフォード車輌が、

敵味方に存在するという現象をもたらしました。
 

V3000Sは、

ドイツ軍内で各種車輌のベースに、

もしくは後部を装軌式とした

「マウルティア」としても広く活用されました。

 

東部戦線では通常のトラックでは、

道路状態の悪さで行動を制限されがちでした。
そこで通常のトラックの後輪部分に、

簡易な履帯駆動装置を取り付け、

走破性を確保する研究がなされました。

 

履帯駆動部は英国のキャリアーを参考に製作され

履帯はⅠ号戦車を利用するなど、

コストを低く抑えた構造でした。
簡易ながら履帯駆動で行動力は大きく増し、

「マウルティア」と名付けられたこの方式は

東部戦線で必需とされました。
 

このマウルティアには、

「3tトラック型」として、オペル・ブリッツ、

フォードV3000、KHD S300」の3種、

「4.5tトラック型」として、

メルツェデス・ベンツ L4500Rの1種、が選ばれ、

1943年前半から生産が開始、

ドイツ軍の足として活躍しています。

フォードV3000ベースのマウルティアは、

Sd.kfz.3bという制式名称が与えられ、

合計14,000両弱が生産され、

マウルティアとしては最大の生産量を誇りました。

因みに、

有名なオペル・マウルティア(「Sd.kfz.3a」)は、

生産台数4,000両であり、

マウルティアとしての存在はフォードV3000型の方が、

勝っていました。

 

 

キットは、

IBGの新製品で、

同社V3000Sシリーズの

バリエーションキットになります。

 

先に発売されたマウルティアのキットに、

高背荷台と防水幌が付きます。

 

高背荷台は、

荷台のアオリ板が、

キャブと同じくらいの高さで、

再現されています。

 

パーツを見た感じでは、

メリハリの効いた、カッチリした印象です。

 

V3000S/SS Mも、

模型的に見慣れたオペル ブリッツと違い、

特徴的なフロントグリルと、

曲線で構成された優美なデザインが、

印象的です。

 

残念なのは、

箱絵に描かれている兵士たちが、

付いていない事でしょうか。

 

 

続く。