マーケティングにおいて、お客様の声を拾うことが大切であることは言うまでもないが、

最近私が読んだ本に、こう書いてあった。



人はホンネを語りたがらない。


なるほど、と思った。


私は人一倍その傾向があると思う。


自分の弱みは他人に見せたくない。相手が家族や友人であっても同じだ。




その本によると、お客様にアンケートをとり、声を拾っても正しい声は拾えないとしている。


たとえばテレビの有料放送。


レンタルDVDの会社が、会員にアンケートを行ったとしよう。


「どんなDVDなら借りたいと思いますか?」


・最新の映画

・地上波で放送していない3D番組

・最新の海外ドラマ


想定される視聴者の声はこういったところだろう。


このアンケートをおこなった企業は、多額の費用をはたいてハリウッドの最新映画を購入するが、

さほど利用者は増えず、頭を悩ますことになる。



ここで質問方法を変えてみる。


「あなたはこれまで多く借りたDVDはどんなものですか?」


回答のトップは言うまでもなく


アダルトだ。




アンケートで見知らぬ第三者に対して回答する場合でさえ、知らず知らずに恥じらいが出たり、

あるいは企業側の立場で考えてしまいがちということだ。


しかし、過去の経験を問う方法であれば、比較的真実の声が聞けることが多い。



アンケートの聞き方ひとつでミスリードしかねないということを肝に銘じよう。


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