不思議な少年(2) (モーニングコミックス) Amazon |
おすすめ: ★★★★
シリーズ感想: 不思議な少年 9
9巻感想の次が2巻という…めちゃめちゃ適当チョイス!
しかも5年ぶり
超ランダムですがこのシリーズ本当大好きなんで、長い目でレビュー完遂を目指~~す
『鉄雄』
天性の歌声を持つ少年鉄雄の物語。
西(広島かな…)から母と焼け野原の東京に出てきた鉄雄は、そこで不思議な少年と出会う。
不思議な少年は鉄雄の歌を聴き、その才能に気づくの。
北海道に流れた鉄雄。
牧場の仕事、母の死、片想いなどを経験します。
ただ愚直に生きる姿がいい。
相変わらず歌いながら
そして再び現れる不思議な少年。
不思議な力で鉄雄を世界の檜舞台に飛ばし、その歌声を世に知らしめようとするんだけど……。
誰もが名声を欲しいわけじゃない。
鉄雄を世界に出そうとするのは、不思議な少年の自己満足でしかないのよね。
鉄雄は自身の短い生をまっとうして満足なのだから。
誰かの幸せをはかろうなんて傲慢な事。
人には人の充足がある。
こんな風に誰にも知られなかった才能なんてごまんとある。
そういうお話よね。。。
『ソクラテス』
ソクラテス、めちゃめちゃ可愛いジジイなんです♡
キューピーみたい!
弟子のプラトン、悪妻クサンチッペなんかも出てくるのよね~。
不思議な少年が処刑前のソクラテスに会いに行くお話。
どうして刑を甘んじて受けたのかが解せなくて…。
不思議な少年はソクラテスにアテナイの終わりを見せ、そののちも世界から戦争や虐殺が失せない現実を見せるの。
そんで現代渋谷に連れてくるという。
ソクラテス、渋谷ギャルに問答吹っ掛けてグーパン受けるという…
2400年前に自分が発した言葉が現代日本で人を救う瞬間を見たソクラテス。
このキューピー爺やの残した言葉はほんとに偉大なんだなぁ……。
今さらだけど。
最後、ソクラテスの人と会って話して真実を知ろうとする意志を受け継ぐ不思議な少年がすごーくいい!
よき終わりだ。。。
『タマラとドミトリ』
このお話ってシリーズ中1番目に好き!
これと、何巻だったか忘れたけど「ロボットたちのテラフォーミング」のやつが同着1位!!
雪深い国の、たった20人程度の滅びゆく部族のお話
20以上も年上の森の灯台守ドミトリに嫁がされた少女タマラ。
結婚式の前に逃げ出したタマラは森で不思議な少年に出会い、連れ出して欲しいと頼むんだけど…。
「10年経っても意思が変わらなければ」
そう口約束した不思議な少年。
タマラは10年後、ドミトリの元を去ろうとする。
確かに不思議な少年は現れるんだけど……。
なんというか、本当に逃げたいなら10年待ったりしない。
自分の幸せは遠くにあると思い込んでいたタマラ。
足下にそれがある事になかなか気付かない。
そんなタマラと、愛おしさを表現できない不器用なドミトリ。
2人を最後まで見届ける不思議な少年。
タマラがしわっくちゃのお婆ちゃんになって、ドミトリを看取ったのだろうひとりになって、あんなにいた犬も1匹になって…。
なのに満ち足りた顔で独り言言いながら暮らしてる。
その姿に泣ける。
小さな世界で足るを知って生きる幸せと、いつかゆっくりその世界も滅びる切なさ。
すごくすごく好き、このお話。
不思議な少年だけが知ってる、2人きりで静かに生きた夫婦のお話。。。
『レスリー・ヘイワードと山田正蔵』
不思議な少年がとある奇跡の1日を誕生させるために奔走するお話。
その日不思議な少年はアメリカと日本を行き来してレスリー・ヘイワードの命を守り、山田正蔵の凶行をくい止める。
不思議な少年は奇跡をおこした!
アメージング
もしこんな奇跡の日が積もっていったら。
ほんとに文字通りの「世界平和」ってヤツになるのよね。
なればいいのに。。。