いつわりの薔薇に抱かれ (ビーボーイノベルズ)
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あらすじ:
若き実業家で、裏に香港マフィアの顔を持つアレックス。彼の来日中、監視のため滞在ホテルのバトラーとして潜入した、刑事である高峰。初っ端から無理難題を押しつけられるが、任務のために甲斐甲斐しく尽くして信頼関係を得る。しかし、その関係はいつしか二人を苦しめ出す・・・。
イラスト: 石原理
おすすめ: ★★★ (+☆)
『DEADLOCK』も『エス』も『デコイ』もそうでしたねー。
対極にいる者同士が魅かれ合い、お互いの立場があるゆえ苦しみ合う・・・。
だからこそ、英田さんの刑事物はがっつりロミジュリ感!
もうひしひし味わえる!!
そこが好き
結果的には どちらかが立場を捨てて成就させるエンドとなるのが常。
で、本書は・・・・・・・・。
なーるほどね~~~。
※ 結末に触れてるのでご注意
『DEADLOCK』は任務終了と共に自由。
『エス』ではヤクザ側がカタギに転身。
『デコイ』は刑事側が総てを放棄。
・・・だったかな?
これはどれでもないのですね。
双方立場続行。
そして遠距離恋愛スタート(笑)
■■
アレックスは表向きは実業家でも、実は裏社会のトップ。
バトラーとして自分に尽くす高峰に正体を隠しているわけで。
高峰に至ってはほんとはバトラーでないだけじゃなく、刑事であり“監視と情報収集”という任務があるわけ。
双方仮面を被ってる上で魅かれ合っちゃうわけだけど、やがてお互い全てを明かす時が来る。
・・・まあね~~。
どう考えても高峰の方が分が悪い。
だからアレックスの憎悪を甘んじて受けるのよね。
このまま二人は終わるのか?
という時に訪れる、アレックスの危機。
自分の身も顧みず、飛び込んで彼を救う高峰。
淡々としてるようで いざって時に熱い行動に出る主人公。
ふおー ステキ
「これも仕事か?」
「そうですよ」
このツンもまたステキ
が。
最後の最後に弱さを見せる姿がたまらないんだなーーー高峰!
このジュリエットデカめ
「嫌だ、もう嫌だ・・・っ。あなたなんか知らないっ」
つって嗚咽。
高峰の本音を引き出そうとするアレックスに、これ以上心を偽ることが出来ずに崩れ落ちるの。
この溢れ出すデレの瞬間が醍醐味。
“あなたなんか知らない”もツボ(笑)
なんですかねー。
英田さんのこの「想いが堰を切る」場面の胸アツ感。
これがあるから英田さんはやめられない。
でも。。。
その後バカップ安定したカップルになっちゃうと、もうどうでもよかったりして。
ユウトとディックが浮かぶ( ̄m ̄〃)
■■
ひとつボヤくとする――。
せっかくの“マフィア設定”がお飾りだったのが残念です。
BBNだからしょうがないかしら