放(アカ)火  高村薫 | 世界の隅っこで読書するパンダ

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ネタバレ時は「※注意!」を入れてます。
妄想体質ゆえ、あらぬことを口走ってます。。。

 

 

 

あらすじ:

 

警視庁の警部補・合田雄一郎は、同じ係の広田巡査部長から相談を受ける。広田は、朝駅のホームで男子中学生からタレコミを受けたというのだ。その少年の同級生が、殺/人と放/火を犯したというものだった。事故として処理された管轄外の事件に、合田はどう向き合うのか・・・。

1993年に小説現代に連載され、単行本化されていない『警視庁捜査一課第三強行犯捜査第七係』の第二話。

 

挿画: 北村公司

 

おすすめ: ★★★

 

前話の感想 :


 

 

 

 

ちびちび読んでる『七係シリーズ』の第二話。

それにしてもダイレクトなタイトル・・・。

アメーバさんの何かに引っかかり、記事抹殺されまいかと気を使うでないのドクロ

 

 

ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて書いておこう?

思ったことをストレートに書いておこうか。

とりとめなくも。

 

 

ニュースで見る、少年犯罪の数々。

事件が起きて暴かれる、少年の中で沈殿していた暗く危険なもの。

 

そういうものが浮き彫りの、とても厭な実話のよう。

実際に罪を犯した少年(和己)も、それを密告した少年(治幸)も、高村さんはサラッとそこにいる子たちのように書くから。

 

 

治幸が不快でならなかった。

犯罪を犯した友人に寄り添えとは思わない。

けど、この密告には冷たいものしかなく、卑しい心根しか見えないから。

 

 

和己にナイフを握らせた複数の要因。

 矛盾した理想を押し付ける父。

 母と祖母の確執。

 受験勉強の重圧。

 内に閉じる性格。

 

・・・こうして書き出すと 取り立てて珍しいものなどない。

和己は特別じゃない。

少年犯罪のラインってなに?

 

 

最後まで治幸を「友達」と言う和己が悲しかった。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

ここからは趣味全開!

愛しの合田さんとその他を語るゼッくちびる

 

 

え~、ペコさん(吾妻)のぶっちぎりな仕切りがおもしろい♪

性格がほんとよく出てる、このクソ長いセリフ。

 

「いいか、広田。はっきり言っておくが、俺たちが手を出す理由は、今も将来も何ひとつない。もちろん個人の問題として個人で対処するのは勝手だ。しかし、警察として告発を食らってる以上、お前が自分で動くのは許さん。お前の代わりにただで動いてくれるっていう奇特な人間がいるのなら、そいつに相談するのは止めん。しかし、七係としては一切関知しない。いいな?ところで、合田先生。奇特なお人というのはお前か?けっこう、けっこう。分かってるだろうが、間違っても倉田武雄の周辺には近づくなよ。必要なら、組合関係は俺がつついてやるから」

 

保身第一!

パパッと仕切っておうちに帰りたいペコさん。

合田さんに丸投げだ!笑

 

「私が余ってますけど」

 

そこへお蘭(森)

ちょっとズレてる君が好きハート

 

 

 

お蘭が買った 音楽で精神の何かをコントロールするとかいうインチキ・テープ(合田命名)全二十巻。

お幾ら万円したのかしら?

1993年、こういうの売りに来るセールスマンていたんだね。

 

 

 

サングラスかけた○クザなお蘭、新宿のゲーセンで治幸の肩を叩く。

治幸の仲間は蜘蛛の子状態手

 

そしてお蘭、またもチンピラ役。

予備校帰りの和己に因縁つける。

 

余ってた男とは思えない活躍ぶりじゃないの!

お蘭 グッジョブ( ´_ゝ`)

 

 

 

合田さんも負けてなかった。

和己の予備校へは父親を騙り、和己の父には予備校を騙るという・・・。

周囲の署員を呆れさす合田さんアセアセ

刑事にあるまじろ。

合田さんもやるじゃないですか!

 

 

 

残念ながらというか当然というか、今回も義兄(加納さん)は出てこなかった。

んが!

義兄は合田さんに有無を言わさず本を押し付ける癖があることが分かった(他の作品でもそうだったかは忘れた)

それがまたクッソ難しい、紀元前のなんちゃら人のなんちゃら王とか出てくる本。

あ~義兄らしいラブラブ

それをまた律儀に読むのが合田さんらしいラブラブ

 

 

 

雪之丞(広田)のプライベートがぶっちゃけになっちゃった本作。

女装の似合う男(心も女性なのかどうかは不明)と付き合っている雪之丞。

なんも悪くないさ。

 

ここでやっぱしどーしても思っちゃう。

合田さん自身の自覚の有無。

ないかな・・・?

グレーかな。

 

もし義兄視点があったら、もっともっとこの義兄弟の関係は詳らかよね!

でもそんなことは望んじゃいないわ!

合田さんの唐変木さが前面だからこそ「合田シリーズ」は魅力的なのよ。

だって合田さんのほんとのところなんて、きっと合田さん自身にも説明つかないに決まってる。

だからそっちを想像してもイマイチつまんない。

でも義兄はきっとあれこれ考えて、ちゃんと自己認識して動くタイプだと思うの。

だから妄想するならこっち♪

 

全然おもしろくはないが、この本はきっと雄一郎が寝オチするのにいいぞ。

よし、部屋に置いてこよう。

今夜は定時に帰れそうだから アイロンかけてやる時間もあるな。

 

とかとか。

ほら、楽しい♪(私が)

 

 

 

又三郎(有沢)がチラとしか出てこなかったわ。

次作に期待。

 

 

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第三話レビューにつづく。

(不定期)

 

 

 


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