常陸における南北朝期の瓜連合戦に北朝方佐竹氏の本拠に「武生(たきゅう)城」が登場する。
この城、バンジージャンプの名所、竜神大吊橋対岸の岩山の上とされる。

確かにそこに平場はある。


↑ 武生神社から見た武生(たきゅう)城

一方、日本城郭大系では「武生山の南側」が城と書かれる。
確かに竜神大吊橋対岸の城、武生山の南には位置する。

しかし、山頂からは約2.5㎞も離れている。


「武生山の南側」なら武生神社にかけてのエリアと考えるのが妥当だろう。
現に武生神社の場所が武生城であるとの説もある。

てなことで、ともかくそこに行ってみる。
現地を見ないで論議はできない。「百聞は一見に如かず」


そこはこの田舎でも「秘境」と言われる場所。

林道でしか行けないという。それなのでそれなりの装備で向かう。
しかし、どっこい。完全に裏切られる。

↑秘境 武生!下に写る道路が武生林道

完全舗装の2車線の広い林道が北に延びる。
まるで「山岳スカイウエイ」

これなら普通車でも快適にドライブできる。

↑ 武生神社拝殿、佐竹紋が掲げられている。

その標高458.7mの武生山、この山、おかしい。

 

この山系の最高箇所ではないのだ。
三角点のある所が山頂とされる場所なのだが、最高箇所は三角点の南側にあり、そこは標高が463mなのだ。5mほど高い!
なぜ、北下が山頂なのだ?
ちなみに山頂の東下に林道の駐車スペースがあり、そこから山頂まで走れば10秒で到達できる。

↑ ここが武生山の山頂!
名前のついた山で地図にも標高が表示される山ならそれなりに知名度はある山である。

それがたった10秒で登れる?なんじゃいこれは!別の意味で驚きだった。
多分、登山時間最短の城だろう。

結局は林道が山頂の横を横切っているだけなのだが。


この武生山から南の武生神社にかけて、歩いてみたが城とは思えなかった。

もっとも秘境と言われているここに攻めくる敵がいるとは思えないので、地形だけで城と言えるかもしれないが。

↑ポツンと一軒屋?この後ろの低い場所に穴城がある。

実は、わざわざここまで来たもう一つの理由は、武生山の北に「穴城」という地名があるのである。
名前は城なのだが・・・場所もおかしい。

 

周囲より低い場所にある。まるで外輪山の中にあるカルデラにある感じ。
何とか、そこに辿りついたが・・・果たしてこれは城なのか?
詳細、HP 武生山、武生山神社と穴城 にて