いま日米ともに、株式市場は絶好調と言えるでしょう。

連日「最高値更新」の文字が、紙面を踊っています。

 

こういう状況下で思うのは「今から飛び乗って大丈夫なのか」ということです。高値づかみにならないかという不安があります。

 

多くの個人投資家は「高所恐怖症」ですからね。

 

NYダウも、昨日節目の40000ドルを超えた時点で,利益確定の“売り”が出ました。

 

上昇を横目で見ているだけも辛いですが、慌てて飛び乗って大きな損失を抱えるのも、精神的にはかなり厳しいものがあります。

 

でも、先行きなんてわかるはずもなく、判断のしようがないのも事実です。

最後は「えいやぁ~」でしかないのですけどね。

 

とりあえず冷静に、今の状況を分析してみましょう...

 

マーケットの分析はファンダメンタルズで考えますが、マーケットを形成するのは「需給」要素です。“買う側”の事情が大事になってきます。

 

マーケットの実態は、ファンダメンタルズ分析の結果が正解だと言えるのでしょうが、必ずしも、マーケットはファンダメンタルズが導く正解どおりには動かないものです。

 

なぜなら、マーケットは需給で決まるからです。

そして、需給は投資家の都合や思惑で決まります。

 

今米国株が上昇しているのは、専門家の意見を整理すれば「米国が利上げをしない」「米国が利下げをする」という思惑があるからのようです。その背景には強い企業業績に裏打ちされた「景気後退はない」「あっても浅い」という認識があるのでしょう。

 

一方需給面では“買い勢力”が強い状況で、“買い手”の都合は、中国などへの投資マネーの行き場を探して、それが米国市場や日本市場に流れ込んでいると考えられます。

 

日本経済が決して強くないのに、日本の景気も良くないのに日本株が買われているのは、まさに「中国への投資資金の逃避先」という位置づけがあるのでしょう。

 

円安によりドル建ての日本株が割安になっている点も考えられます。

 

日本株式市場の需給で見れば、年初から企業の自社株買いによる株価下支えがあり、また年金などの資金が日本株を買い支えている側面もあります。

 

この需給面での流れに、少し変化が見られるようです。

 

中国経済に、底打ちの兆しが見えてきたということです。

 

中国経済悪化 → 米国・日本市場に資金流入

中国経済復活 →      ?

 

また、円安加速の流れが止まり、どうやら円高に向かい始めたということです。そうなるとドル建ての日本株評価にも変化が見られそうです。

 

今は米国経済指標悪化で「利下げ観測」は強まり米国株式は上昇しますが、経済指標が悪いことや利下げをするということは、景気が良くないということなので、それを素直に市場が認識しだしたら、悪い経済指標を“良いニュース”とは捉えなくなってくるでしょう。

 

諸々考えると、米国株式市場や日本株式市場が、このまま楽観的に上昇していくことには、そろそろ黄色信号が灯りそうな感じはするのですがね。

 

飛び乗ったとしても、すぐに飛び降りるタイミングだけは、間違えないようにして置いたほうが良さそうですね...