世の中、投資といえば「つみたて投資」のことばかりで、投資初心者へのアドバイスは、「つみたて投資」を勧めておけば間違いないと言わんばかりです。

 

なんで「つみたて投資」がそんなに良いのでしょう。

ドルコスト平均法によるリスク分散効果が、受け入れやすいのでしょうか。

 

「つみたて投資」を否定するものではありません。

「つみたて投資」は有効な手段です。

 

でも投資環境によっては、「つみたて」手法でない方が、効率的な投資になることもあります。

 

場合によっては「つみたて」の手法が、デメリットになることも考えられます。

 

積立よりも一括投資のほうが有効な場合...

 

たとえば直近だと、「アベノミクス」が始まった2013年頃は、日銀総裁に就任する黒田東彦氏が「インフレ目標2%設定」を口にしたことで大きく円安に振れていきました。

 

円高水準が異常だっただけに、1ドルが7~8o円台だったのが三桁になることは予想されていました。

 

結果として、その後の長きに渡る株価上昇を招きました。

 

あのときは、「つみたて投資」よりも「一括投資」のほうが、より大きなリターンを得られやすい環境にありました。

 

逆に、円高株安に振れるリスクは、すごく低かったですね。

 

一括投資にも不利だが、積立投資にも不利な局面がこれから訪れそうです。

 

ここまで上昇してきた株価が反転下落する局面です。

 

景気後退による株価下落は、近い将来あり得るシナリオです。

 

「つみたて投資」のメリットとして、株価下落局面でも一定金額を投じることで、単価が低いときには買える株数(投資信託では“口数”)が多くなるというメリットがあります。

 

このことが、「つみたて投資」ではマーケット下落局面でも怖くないとされているのですが、さすがつみたて積立」の手法でも、マーケットが一方向に右肩下がりであれば、評価額はマイナスのままです。

 

売却時には、必ず積立期間中の最低価格よりも上に位置していないと、評価額はプラスにはならないのです。 

 

確定拠出年金制度において、下落継続局面のときに定年まで数年しかないという方は、解約するときに果たして価格は上昇してくれているのかどうかが重要になってくるのですね。

 

「つみたて投資」は、必ず利益が出る手法ではありません。

また「つみたて投資」では、大きな収益は期待できません。

 

マイナスにはなりにくいまでも大きな利益にはならないことが多いのが、「つみたて投資」です。

 

従来「つみたて投資」は、一括投資のヘッジとして、一括投資と同時に「つみたて投資」を行っていたのです。そう据えることで、損失によるダメージが軽減できるからです。

 

あくまでも中心は「一括投資」だったのですね。

 

「つみたて投資」は、万能薬でもなければ、リスクに対する救世主でもありませんよ...