ある企業の新入社員向けに、確定拠出年金のセミナーを行いました。

 

セミナーは、「制度解説」と「運用指南」という二部構成で行いましたが、多くの時間を運用の解説に割くことになりました。

 

確定拠出年金の肝は、制度導入後の運用にありますからね。

 

「制度解説」においては、確定拠出年金をするメリットは「税制優遇」にあるとしまひた。これはNISAも同じで、「運用益が非課税」というのは最大のメリットだと解説し、このことだけでも、確定拠出年金やNISAを行う十分な理由になると説明しました。

 

確定拠出年金に於いては、マッチング拠出額もiDeco拠出額も「所得控除」されることも、大きなメリットです。

 

「ポータビリティ」も「年金額の見える化」も重要ですが、やはり「税制優遇」、特に運用益非課税は、制度を利用する強い動機になりますね。

 

「運用」での肝は「複利効果」に限ります。

 

運用元本が変わらない「単利」とは違い、運用収益が元本に組み込まれて運用を繰り返す「複利」が効率的に収益を伸ばすのに適しているということです。

 

収益曲線が直線ではなく放物線になることが重要で、複利効果が得られなければ運用はしないと言っても過言ではありません。

 

そういう意味では、確定拠出年金での「運用益非課税」は、この「複利効果」メリットを最大限に引き出すことができます。

 

確定拠出年金では、その制度設計の上では「毎月積立投資」をすることになります。この場合、運用益非課税による強力な複利効果は、他の何よりもおおきなメリットになります。

 

市中の証券会社では、毎年収益を税計算することで、収益の絶対額は少なくなるのですが、確定拠出年金では、運用中の収益は非課税になるので、収益額を落とすことはなくなります。

 

その分、投資元本が殖える額も大きくなります。

 

ただ、確定拠出年金制度では、お金を引き出すのは60歳移行になりますので、いつでも引き出せるNISAとは、運用目的や運用方法は、明確に分けたほうが良いでしょう。

 

ちなみに、確定拠出年金は公的年金制度を補完する役目もあります。つまり、公的年金が支給されない60歳から64歳までの年金空白期間を埋めてくれるのです。

 

確定拠出年金は、ドルコスト平均法でリスク分散された毎月積立投資で投資信託を買い続ける運用手法になり、必然的に長期投資になります。

 

NISAは、単年度の収益そのものが非課税なので、お大きく跳ね上がる個別銘柄(テンバガーなど)を買うほうが、制度を有効に活用できるというものです。

 

長期で構えた投資スタイルよりも“大きく儲かったら税金無しで売りぬく”パターンのほうが有効です。

 

そんな話を、約1時間かけてお話しました。

 

入社したばかりで退職の話なんて、自分事として捕らえろと言っても、無理な話ですけどね...