10年にわたって金融政策のかじ取りを担ってきた日銀の黒田総裁が8日で任期を終えます。

政府は、7日の閣議で日銀の新たな総裁に元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏を9日付けで任命する人事を決定しました。

 

歴代最長...

 

この10年間に及ぶ在任期間中、デフレ脱却に向けて異次元の金融緩和策を主導してきました、金融緩和との10年間だったということですね。

 

目的は「デフレ脱却」...

 

各国の中央銀行による金融政策は、マーケットに大きな影響を与えます。金融政策によりマーケットは動き、将来の方向性が決まります。

 

それゆえ、日銀は、総裁・副総裁が変わってどのようなメッセージを発するかは、非常に重要になってきます。

 

黒田日銀が、日本で初めて「物価目標」を掲げ、その数字「2%」と明言したことで、株価は大きく上がり、為替は、それまでの円高から円安へと振れました。

 

もっとも当時、世界的に金融緩和政策をとっていて、金融不安を抑える努力をしていタイミングでの、黒田総裁によるインフレ目標設定のメッセージだったということも、おさえておきたいところではあります。

戦力の逐次投入をせずに、現時点で必要な政策を全て講じた。量的にみても、質的にみても、これまでとは全く次元の違う金融緩和を行う...

この発言から日銀黒田丸は船出しました。

 

日銀の黒田総裁は会見冒頭で10年間の成果を問われ、これまでの大規模な金融緩和は適切だったと強調しました。

長きにわたるデフレの経験から賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方や慣行、いわゆるノルムが根強く残っていたことが影響し、2%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現までは至らなかった点は残念だ...

この発言で、10年の日銀総裁期間を締めくくりました。

 

更にこうも述べています。

10年間の成果について、「10年前の我が国経済を振り返ると、1998年から2012年までの約15年の長きにわたるデフレに直面していた。こうした状況を踏まえ日本銀行は2013年に量的質的金融緩和を導入した。大規模な金融緩和は政府のさまざまな施策とも相まって、経済物価の押し上げ効果をしっかりと発揮していて、我が国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなった...

物価が持続的に下落するデフレではなくなったと強調しています。

 

植田新総裁は国会の所信聴取で積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う5年間としたいと述べていましたね。

 

次の金融政策決定会合における新総裁の記者会見発言が注目されます...