確定拠出年金での運用、それぞれのカテゴリーを考えてみましょう。

 

確定拠出年金での運用は、拠出金を4つの部屋のどこかに資金を入れることで始まります。

 

4つの部屋とは「日本株式」「海外(外国)株式」「日本債券」「海外(外国)債券」の部屋になります。

 

すごく単純に解説すると、真ん中に「金利」をおいて、金利が上がると強くなる市場が「株式市場」、つまり「日本株式」と「海外(外国)株式」で、金利が下がると強くなるのが「債券市場」、つまり「日本債券」と「海外(外国)債券」になります。

 

この場合の金利は「長期金利」で、概ねその国の10年者国債の利回りになります。

 

教科書的に言えば、長期国債は2つの要因で上がるとされています。

  • 政策金利(いわゆる短期金利)が上がるとき
  • 将来景気が良くなるであろうと思われるとき

に上がります。

 

景気が良くなるときに上がるので、長期金利が上昇すると株式市場は強くなります。

 

しかし、今は、長期金利が上がると逆に株価は下落しています。

 

なぜでしょう...

 

それは、今は景気が良くなるから長期金利が上がっているのではなく、インフレを退治するために強引に政策金利(短期金利)を上げているので景気がついてこないでいます。

 

だから長期金利の上がり方は小さく、今は短期金のほうが長期金利よりも高い状況になっています。長短金利逆転という現象になっています。

 

この状況をもっと単純にお話すると、株価の計算式は単純化させると概ね「分子:企業利益、分母:金利」となります。

 

景気が強いときは、分母の金利上昇を上回る分子の企業利益アップが見られるので、株価は上がります。

 

しかし今はインフレ退治のための金利上昇なので、企業利益が追いついてこれず、分母の金利上昇が単純に株価を下げる結果となっています。

 

これでは株価は上がりませんね。

 

株式投資は“未来”に投資するものですから、これからどうなるかを予想するのが大事です。

 

米国は、どうやら利上げを停止して、その先には利下げが待っているようではあります。

 

現在「5.00%」に近い金利を「2.00%」にまで引き下げることも明言しています。

 

これらの事実関係から推測すると、「金利が下がれば株価は上がる」という今の異常事態での法則を考えると、確定拠出年金での運用では「海外(外国)株式」を中心に運用することが効率的だという答えが導き出されるかと思います。

 

「海外(外国)債券」に関しても、金利が下がっていく局面では、債券価格は上昇しますので、今後は投資対象としては選択しても良いかなとは思いますね。

 

でも「日本債券」の場合は、今がゼロ金利で将来に向けて金利がつく局面があるということは容易に想像できるので、「日本債券」にはお金を投じられないというのが個人的な意見です。

 

じゃあ「日本株式」の将来はどう判断すればよいでしょうか...

 

日本には金利はいまのところ存在していません。ゼロ金利政策ですから。

今後予想としては金利は付きそうですが、大きくは上昇できないでしょう。

インフレが加速しています。

給料は上がりません。

少子高齢化が止められません。

 

果たしてこの状況で、未来に投資する株式投資では、長期投資を前提として資金を日本市場に投じる事ができるでしょうか。

 

個人的には、分散投資の基本は「海外(株式)+現預金」がベストのような気がしますね...