ベンチャー企業への融資が特色のシリコンバレーバンクに続き、ニューヨーク州のシグネチャーバンクが相次いで破綻したことで、比較的安全資産とされる金の相場が高騰しています。

 

今が売りどきなのか、それとも買いどきなのか...

 

金融不安にウクライナ侵攻などの地政学リスクを掛け合わせると、専門家の多くは、まだまだ金相場は上がっていく可能性を示唆する人が多いようです。

 

いま足元でぐんぐん上がっている金相場どこまで上がっていくのか...

 

多くの投資家の関心事はこの一点でしょうね。

 

過去5年間の1グラム当たりの金の価格のグラフというのがかなり右肩上がりになっています。

 

きっかけは「コロナ」と「ロシア軍ウクライナ侵攻」です。

 

日本円の金価格は、急激な円安も手伝って、それこそ“急激”に値を上げています。

 

2018年の3月には1グラム4530円だったものが、今では9000円台突入と、およそ2倍になっています。

 

「危機」に対応して上がる金市場...

 

もうそういう構図ですね。

 

今から買っても大丈夫かな...

 

そう思うのは当然でしょう。

 

金価格が上がるタイミングはわかりました。「今でしょ」となると、気になるのは「いつまで上がり続けるのか」と「いつ下げ始めるのか」ということです。

 

金価格が下る要因は、「上がる要因」の逆の状況を想定すれば良いのですから、世の中が安定で平和なときは、金(GOLD)は人気がなくなるということになりますね。

 

利息を産まない金投資よりも、利回りが上がり大きな利幅が狙える証券投資のほうが魅力度は増しますからね。

 

そう考えると「コロナ」と「金融不安」と「地政学的リスク」で上がっている金価格は、「金利の引き上げが進むこと」と「地政学的リスクが落ち着くこと」「金融不安が払拭される」と、金価格は下落に転じるということになります。

 

でもよく考えたら金融政策は、このことを求めて行うわけであり、政府や当局は、(金相場を意識しているわけではないですが)まさに「金価格が上昇する」要因を取り除くために知恵を絞っているわけですから、いずれは金価格は下落することが、近い将来にあると思っておくべきでしょうね。

 

まさに「有事の金」と言われていますからね。

 

危機が起こると金価格が上がる、危機が収まると金価格は下るという、至極当たり前のことを、ついつい忘れがちになっているのですね。

 

もっとも金(GOLD)は金利がつかないので、金利が上がってくると金利がつく預金や、あるいは個人向け国債等にお金を振り向ける人が出てきて、金の価格が下がってくるというところは否めませんね。

 

でも、国債価格下落が要因で、すでに銀行が破綻しているので、FRBとしても今後金利を上げづらい状況に追い込まれていると考えれば、金価格はまだまだ上がるのかもしれません。

 

その見極めが、今週のFOMCにあるということで、今回のFOMCは世界中が大注目です。

 

ドル建ての円建てでは、また違った景色がある...

 

10万円金貨が24万円に

専門家は、金はまだ上がり続ける可能性...

 

週刊誌や雑誌にはでこのような記事が踊っていて、まるで金購入を煽られているようです。

 

地金大手の田中貴金属工業(東京)は17日、金価格を1グラム当たり前日比37円高の9115円に設定しました。国内の金小売価格の指標として2日ぶりに過去最高を更新でした。

 

「有事の安全資産」とされる金の需要は増加が背景にあると説明しています。

 

日本円で見れば、ここ数年の金価格の上昇は際立ちます。

 

2020年4月13日に新型コロナウイルス流行を背景に6513円を付け、中東イランでのイスラム革命や旧ソ連軍のアフガニスタン侵攻の直後以来、約40年3カ月ぶりに過去最高を更新しました。

 

このときはこれはこれで、非常な驚きだったのですが、今度はロシアのウクライナ侵攻を受けて8036円に上昇し、最高記録を塗り替えたときは、驚きを通り越した感じでしたね。

 

今年は3月13日に初めて9000円ちょうどとなり、その後も値上がり傾向が続いているのです。

 

背景には強い円安もあります。

 

為替が絡むゆえに、円建ての金相場は非常に読みづらいですね。

 

世界情勢 × 為替事情

 

この計算式が示すのは、金相場は「難しい」ということのようです。

 

ということで結論ですが、円建ての金価格は、今の9000円台の水準から1万円を超える展開になるのかどうかは「わからない」と言わざるを得ません。

 

なんじゃそりゃ...

 

でもここまで見てきた通り、6000円台から9000円台まで跳ね上がる相場は、今後の展開ではちょっと想像しづらいですね。上がってもせいぜい1000円の値幅かもしれないとなると、今から金を仕込むというのは、投資効率が良いとは言いづらいのかもしれません。

 

リスク資産のヘッジのための金積立投資...

 

これはその意味がとても理解できますので、金価格が大きく下がったときに、今回のように「金価格が上がることがある」「金投資が有価証券投資の損失をある程度カバーしてくれる」ことを理解して、金(GOLD)の「毎月積立」をやろうと思うだけでも、勉強になったのではないですかね。

 

金投資単体で利殖を求めない...

 

あくまでもリスク資産投資のヘッジとして考えておきましょう。