世界各国の中央銀行は、金融政策を緩和強化に舵を切り、金融政策面から景気を下支えすることを決めました。

同時に政府は、大規模な財政出動政策を検討、大規模な予算を組んで、融資条件緩和、現在の融資猶予措置、減税措置などを講じることを発表しています。

緊急の、かつ急激な経済悪化に対する対応としては


     金融政策 + 財政政策


をセットで打ち出すことが重要です。

また、経済悪化の進行や度合いによってですが、


     緊急 + 大規模 


に行い、さらに


     ターゲット明確化


にすることで、その効果の最大化を目指します。

これらをトップリーダーがメッセージとして発することで、マインドを改善することができます。

     景気の「気」は空気の「気」

と言われています。

とにかく国の雰囲気・ムードを変えるメッセージを、お金を司る中央銀行と、それを潤滑させる仕組みを作る政府が強く発することが大事なのです。
 

特筆すべきは、英国ジョンソン首相は、英国では水際で感染を止めることはあきらめ、今後国民に痛みを伴う感染が増えることはあきらめてもらうが、そのピークはできるだけ先送りさせることを明言しました。

異例の表現ですが、現実的なのかもしれません。英国国民に、新型コロナウイルス耐性を高めてもらおうというようにも見えますね。

嫌われることを恐れずに現実的な対応を取っている...とも言えます。

 

欧州(EU)も英国も米国も、それぞれ利下げなり金融緩和政策強化なり、銀行への積極融資なりで、とにかく資金供給をスムーズに大規模に行うことを表明しました。

これに伴い、各国政府は、大規模な財政出動政策を打ち出してきています。

それは議会審議が伴うもので、女王や大統領署名を必要とするでしょうが、減税を含め、融資条件緩和、及び現在の融資の返済猶予(米国では学生ローンなど)など、国民の生活に直結するような政策に、財政をつぎ込むことを検討し、随時発表してきていますし、今後も、必要に応じて、政策は検討されていくようで、その都度、その国のリーダーが国民に向けて、具体的な政策内容を説明するという、とにかく「気」を変えることに尽力しています。

新型ウイルス対策を、政治の面から支えるプロセスを、できるだけ分りやすく解説したつもりです。

実際の感染者拡大阻止に関しては、科学的側面からとなり、米国にはその専門部隊がセクションを横断できるように組まれていて、そこが渡航者制限等に措置を取っています。

それが英国では、水際防止作戦から感染拡大鈍化へと、政策を変えたというのでしょう。

さてこのプロセスにおいて、日本の対応はどうでしょう。

ここでもう一度、緊急時のおける取るべき行動を整理しますと

     中央銀行による大胆な金融政策
     政府による直接的・効果的な財政政策 

どこかで聞いたような修飾語がついていますが、これを日本はどのように対応しているのでしょうか。あるいはそれを行おうとしているのでしょうか。

その政策内容を、広く国民に伝える場が、トップによる記者会見です。

これによりパニックになっている国民は安心を得て、国の「気」が変わるのです。

戦争や動乱による沈静等は、政治的プロセスが需要ですが、感染拡大などの病理学の問題は、専門家チームが陣頭指揮を執るわけで、科学的アプローチを優先し、それによる経済的ダメージを、政治が後ろから支えることが大事なのです。

今日、日銀金融政策決定会合を前倒しして行うようです。

日本政府は、政府と姿勢を安倍総理が記者会見で述べた...のかな。

日本の「気」は、十分に変わった、あるいは変えられたのでしょうか、あるいはこれから変わっていくのでしょうか。

結局は国ではなく民間の力で、自分たちで何とかしていくのでしょうね。