昨日のNY市場は、先週末とほぼ変わらずで推移しました。為替は薄商いの中、ドルや円、スイスフランといった投資先通貨が下落しました。

 

日本しか見ていないと分かりづらいでしょうが、為替は常にドルが中心で、ドルの周りを時計の文字盤のように各通貨が位置し、常に中心にあるドルと対峙しています。

 

リスクオフになると中心点であるドルに向かい、リスクオンでは、中心点から文字盤の方向に拡散してきます。

 

ただし円とスイスフランだけは別で、これはどちらも逃避先通貨となっていますので、この3通貨だけは、リスクオフになったら、「よりどちらが逃避先になるか」という強さ比べをします。

 

円とスイスフランは必ず中心であるドルを介しますから、比較してもあまり意味はありません。

 

昨日は、中心にあるドルから文字盤の方向に資金が拡散したということです。

 

米10年債利回りは1.65%と大きく上昇、リスクオンの様相で債券が売られました。その資金は、米国株式市場に流れると同時に新興国に流れていると思われます。

 

一般的に、ドル安になると新興国株は上昇すると言われています。

 

為替では対ドルで豪ドルが大きく上昇しました。

 

ポンドが強いのは合意なき離脱が遠のいたことによるもので、このことが世界経済に安心感を与えたとも言えます。

 

冒頭からの「リスクオン」の様相の背景には、英国の合意なき離脱危機の緩和が挙げられると思います。

 

加えて、英国の7月の国内総生産(GDP)は6カ月ぶりの高い伸びを記録しました。予想外の堅調で、欧州連合(EU)離脱前に英国がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念は後退するとみられたことも、投資家の間に当分の安心感が出てきたのでしょう...