先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は9日午後(日本時間10日早朝)、カナダ東部シャルルボワで2日目の討議を総括した首脳宣言を採択して閉幕しました。トランプ大統領は途中退席でした。

 

首脳宣言の焦点だった通商問題では、昨年のサミットと同様に「保護主義と引き続き闘う」と再確認し、「ルールに基づく国際的貿易体制の役割」の重要性も強調しました。 トランプ大統領の主張に配慮して「関税や非関税障壁、補助金の削減に向けて取り組む」との表現も盛り込みました。トランプ大統領が役割を果たしていないと批判する世界貿易機関(WTO)は、より公正な機関に近代化すると明記しました。

 

首脳宣言を巡っては、トルドー氏が記者会見して7カ国での採択を発表しましたが、米国による鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を「侮辱的」と非難して「私たちは強制されない」と主張し、輸入制限を撤回しなければ、7月から米国に報復関税をかけるとけん制しました。

 

北朝鮮には全ての大量破壊兵器、弾道ミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄を求め、拉致問題の即時解決も改めて要求、ロシアに対しては、ウクライナ領クリミア半島の併合や英国でのロシア元情報機関員らへの暗殺未遂事件を非難して、追加制裁の可能性に言及しました。

 

これに対し、トランプ氏は米朝首脳会談のためシンガポールへ向かう大統領専用機内から「トルドー氏が会見で間違った発言をした。米国の代表に首脳宣言を承認しないよう指示した」とツイッターに投稿し、米国市場に押し寄せる輸入車への関税も検討していると、輸入制限措置を自動車に拡大する可能性も示唆しました。

 

それにしても、トランンプ大統領も金正恩北朝鮮労働党委員長も、ずいぶん早くからシンガポール入りしています。何をするのでしょうね。もう両者会談は極秘で始まっているのでしょうか。