米トランプ政権と与党・共和党は、27日に税制改革の新案を共同で公表すると報じています。

 

焦点の連邦法人税率(現在35%)は、トランプ大統領が選挙公約に掲げた15%への引き下げを主張する。一方で議会共和党側は20%案を検討しており、最終調整が続く。米国の法人税制改革は30年ぶりで、税率の大幅な引き下げが実現すれば主要国の減税競争に拍車をかけそうだ。

 

ホワイトハウスは25日、トランプ大統領が27日にインディアナ州で演説し、政権と議会共和党が共同で税制改革の新案を示すと明らかにしたようです。

 

この議論の争点は、減税すると財政赤字が拡大するという点で、景気や企業側を優先するのか、米財政を優先するのかということで、上院側が、どこまで財政赤字の拡大を容認するかというところに絞られたようです。

 

その結果が法人税率の数字に表れるようで、15%なのか20%なのかというところのようです。

 

アメリカでは税制の立案・決定権が連邦議会にあります。日本で思っているほど、大統領は何でも独断で決められるというわけではありません。むしろ大統領よりも議会のほうが権限が強いのです。

 

27日の公表する税制改革案では、個人所得税の税率引き下げも盛り込む方向で、トランプ政権は所得税の最高税率を39.6%から35%へと下げる案を検討していました。

 

政権発足後は医療保険制度改革法(オバマケア)見直しが議会を通過できず、注目の法人税減税法案も、ここかで時間がかかっています。

 

これが米マーケットの足を引っ張る大きな要因となっています。

 

アメリカで法人税率の大幅引き下げが実現すれば、レーガン政権下の1986年以来となります。

 

日欧など主要国は企業の競争力を高めるために相次いで法人税率を引き下げており、アメリカが追随すれば法人減税の流れが一段と強まるようです。

 

先進国では日本の法人税率は、アメリカと並んで高いほうに位置しています。この法案がアメリカで通れば、日本だけが突出して法人税率が高くなりそうです。

 

NY外為市場は、ユーロが急落しました。

 

ドイツの選挙結果やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言、地政学的な緊張状態を背景に、安全資産とされる円などが買われました。

 

ユーロ/ドルではユーロが売られ、ドル/円では円買いでした。

 

ドイツ連邦議会(下院)選挙でメルケル首相は4選を確実にしましたが、極右政党ドイツのための選択肢(AfD)が躍進し、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の得票率は1949年以来の低水準を記録しました。

 

大連立を組んでいた社会民主党(SPD)のシュルツ党首は、最大野党として政府と対決していく意向を示し、メルケル首相との連立解消です。

 

この日は北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が、トランプ米大統領が北朝鮮に宣戦布告を行ったとの認識を表明し、ユーロ売りが加速しました。北朝鮮外相発言を受け、円が対ドルで上げに転じたほか、スイスフランもドルに対し値上がりしました。

 

ドラギECB総裁がECBは「潤沢」な緩和を行う必要があると表明しました。やはりユーロ高は歓迎していないようですね。