2024年から2025年の韓国のドラマで全16話です。

U-NEXTで視聴しましたが、韓国と同時放送だったそうですね。


このブログにはいつものようにネタバレがありますので、未視聴の方はご注意くださいませ。


奴婢のクドクが、両班のオク・テヨンになりすまして生きるというストーリーと聞いて、ちょっと視聴をためらいました。

なりすましがバレないかヒヤヒヤするのがいやだなあ、と思ったのですが、なんと1話の冒頭で、すでにバレております。

どうしてこうなった、と過去に遡る構成ですが、バレるのがわかっていると逆に安心して視聴をスタートできます。

韓流ドラマは視聴者心理をよくわかっておる。


奴婢が主人公のドラマといえば「逆賊ホン・ギルドン」を思い出します。

とても面白いドラマでした。

奴婢の子供も奴婢、という朝鮮の昔の身分制度は「逆賊ホン・ギルドン」で知りました。

なんという理不尽

現代の価値観では理解出来ませんが、生まれたときからそういう世の中だったら、疑問に感じることすらないのかもしれません。

そういうことを踏まえて視聴しないと、いちいち胸糞悪っ!!とイライラしてしまいます。



クドク/オク・テヨン


イム・ジヨン/1990年6月23日(34歳)


クドクという名前はウジ虫という意味だそうですガーン

そんなネーミングセンスを持つ主人がどんな人間か、非常にわかりやすいです。

端的に言ってクソあんどクソですわ。

奴婢のクドクは賢く聡明で手先も器用、出来ないことはありません。

奴婢のときは可愛くも美人でもありませんでしたが、後にオク・テヨンになってからはどんどん美しくなります。

これはメイク効果というより、表情や振る舞いによるもので、演じているイム・ジヨンの演技力がずば抜けているのだと思います。

初見の女優さん、と思っていましたが、なんと「ザ・グローリー」のいじめっ子グループの首謀者でした。

調べるまで気づきませんでしたが、言われてみれば確かにそう。

女優さんってすごいですね。


クドクが仕えたソヘお嬢様はどうみてもサイコパスで、稀に見る嫌な女です。

ソヘお嬢様の父親も血も涙もないようなサイコパスで、クドクの母親が病気になると捨ててこいと言い、クドクの父親はまだ生きている妻を背負って捨てにいきますガーン

妻を埋める穴を掘っていて、妻が生きていることを知り、なぜまだ生きているんだ、と泣きます。

地獄です。

クドクが隠れて小金を貯めて逃げようと考えるのは当然です。

さっさと逃げれば良かったのに、クドクは主人を鎌で襲って、ソヘお嬢様に汚物を浴びせて逃げます

このクソ主人、てっきり死んだと思いましたが、生きてました。

クドクが主人殺しにならなかったことは幸いです。

クドクの父親はクドクの足手纏いにならないために行方をくらまし、クドクは清から帰国した親切な両班の父娘と知り合い、養女にしてもらえることになりましたが、賊に襲われて父娘は亡くなり、成り行きでこの娘、オク・テヨンになりすますことになります。



チョン・スンフィ/ソン・ソイン

チュ・ヨンウ/1999年6月5日(25歳)


クドクは悪巧みでオク・テヨンになりすましたのではありません。

息子と孫娘を亡くしたオク・テヨンの祖母の希望でなりすますことになったのですが、それは良かったです。

祖母を騙してなりすませば、クドクを応援出来ません。

この親切なおばあさま、なぜか途中でぷっつり登場しなくなりました。

亡くなったようですが、クドクとの別れのシーンが見たかったです。


オク・テヨンは初恋の相手の両班の息子ソン・ソインにそっくりな県監の息子ソン・ユンギョムと婚姻しますが、なんと夫はマイノリティです。

ドラマでは「少数者」と字幕がついています。

日本には昔から男色という文化があり、男色という言葉もありますが、韓国には男色にあたる言葉はないのでしょうか。

少数者って言い方は違和感がありました。

ソン・ユンギョムはオク・テヨンに「女人を抱けない」と言いましたが、そのわりに好きな男がいるわけでもなく、説得力がありませんでした。

同性愛者設定にするなら、イケメンの恋人を作ってあげて欲しかったです。

そこは非常に残念ポイント。

ソン・ユンギョムは親に捨てられたマイノリティの子供たちを集めて妓館で匿い武術を教えていましたが、やや極端な行動です。

謀反の嫌疑をかけられても無理はありません。

しかも肩に刺青を入れるなんて、秘密結社のやることです。


少数者の夫は姿をくらまし、7年間も帰ってきません。

義父は亡くなり、オク・テヨンは外知部(訴訟の際の弁護人)の仕事をしながら義弟を養い、義弟は科挙に合格します。


クドクの初恋の相手のソン・ソインは親に勘当されて人気芸人チョン・スンフィになっていますが、クドクが忘れられず、ずっと独り身です。

あまりに純粋な青年です。

ソン・ソインはクドクとの思い出を書いた小説を盗作されてトラブルを起こし、クドクは外知部として彼を助けます。


すっかり両班の奥様になりきったクドクですが、使用人のペギを殺されて悶着のあった両班の奥様の復讐ターゲットになり、別人の死体を夫と決めつけられ、寡婦認定され、喪に伏すことを強要されます。


昔の朝鮮は、奴婢の子供は奴婢というルール以外に、未亡人は夫の後を追って死ぬのが美徳という思想があったようです。

中国の歴代王朝の中にも殉葬というのはありましたが、朝鮮では一般人レベルでもあったのでしょうか。


あと一礼すれば寡婦認定というタイミングで7年間行方不明だった夫ソン・ユンギョムが颯爽と現れたときは胸アツでした拍手

ところが、これはソン・ユンギョムではなく、ソン・ソインが成りすましていましたびっくり


ソン・ユンギョムとソン・ソインは瓜二つという設定ですが、もちろん演じているのは1人です。

ソン・ユンギョムとソン・ソインは姿は似ていても性格は全く違います。

簡単に言えば、ソン・ユンギョムはシリアス、ソン・ソインはコミカルです。

歩き方や表情が違っていて、演じ分けが素晴らしいと思いました。

演じているチュ・ヨンウはパク・ソジュンをちょっとだけ面白くしたようなイケメンです。

ブログ主、初見だと思っていたらなんと「You make me Dance〜紅縁〜」で舞踊家を目指す大学生ソン・シオンの中の人だったんですね。

だから踊れるのか!

「You make me Dance〜紅縁〜」は韓国BLドラマの中でも特に好きな作品なので、活躍が嬉しいです。


オク・テヨンに成りすましたクドクと、オク・テヨンの夫に成りすましたソン・ソインは、正体がバレて一家全員が罪に問われることを案じて出奔するつもりでしたが、話し合って夫婦として清水県に留まることにします。

夫婦揃って成りすましだなんて、宮部みゆきの小説みたい。

しばらくは幸せな日々が続きましたが秘密がバレることがわかっているので、喜べません。

結局、2人ともバレてしまったのですが、バレた原因が、クドクがお母さんの墓参りをしたことです。

油断しすぎですガーン


クドクとソン・ソインと従者のマンソクが捕まり、拷問にあってマンソクが亡くなったことは悲しくてなりませんえーん

マンソクを演じているイ・ジェウォン、いろんなドラマで見かける、名バイブレーターです。

その場にいるだけで空気感が和らぎます。

日本でいうと、大泉洋みたいな照れ


マンソク

イ・ジェウォン/1986年6月21日


クドクは打ち首は免れましたが、クソソヘ嬢様に返されました。

最悪です。死んだほうがマシ。

クドクは流行り病に罹ったふりをして、隔離場に行き、そこで失踪中の本当の夫ソン・ユンギョムと再会します。

ボランティアかなんか知らんけど、呑気なソン・ユンギョムには怒りがわきましたが、心臓病を患っているらしいソン・ユンギョムは、牢にいるソン・ソインと入れ替わり、ソン・ソインとして亡くなりました。


クドクに助けられた清水県の人々の嘆願によって、クドクは罪を許され奴婢の身分から解放されました。

人々の嘆願シーンは感動しました。

両班になりすましたクドクは貧しい人々に施し、助けてきました。

それが報われたのですね。


クドクはソン・ソインとの子供にマンソクと名付け、海辺の家で父親とソン・ソインと暮らしています。

ハッピーエンディングなのですが、ソン・ユンギョムの人生はあまりに可哀想過ぎます。

同性愛者として生まれ、自分と同じような子供たちを助け、何度も迫害され、復讐のために清まで行っても復讐は叶わず、傷ついて家に戻れば別の男が自分に成りすましているため居場所はなく、声を失い、心臓を患って牢で亡くなるなんてえーん

同性愛者というだけで、こんなに辛い人生を送らなければならなかったのでしょうか。

ソン・ユンギョムの願いが何一つ叶ってないのが悲しいし、少数者が幸せに生きられる世の中に近づいたという希望も見出せないのは残念です。


心から良かった良かったとは思えない結末でしたが、ドラマとしてはとても面白かったです。

清水県の座主夫婦とか、悪いことをしても、自分のしたことの罪を認めて悔い改め、良い人間になろうとするところが良かったです。

人は善人でもときには間違ったことをするものです。

過ちが許されない世の中では生きづらい。

ただ、クソソヘお嬢様にはもっと不幸になってほしかった。


韓国の時代ドラマは衣装もセットも豪華で、見応えがあります。

お金かかってるな〜って感じ。

現代人には理解しずらい理不尽な設定も多いですが、これからも楽しみたいと思います。







*本文中、敬称略させていただいています。




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