あ…
ふにゅ、と柔らかいもので唇を塞がれる。ジミニヒョンの唇だ、と気づいた瞬間目を開けた。
「あ」
ジミニヒョンは驚いたように目を丸くした。唇を離して身を起こそうとするから、背中に腕を回してぐっと抱き寄せる。
「お、起こしちゃった…ごめん…」
「ふふ…正確にはもう少し前から起きてました」
「へ?」
きょとんとして僕の横に横たわるジミニヒョンの顎に指先を伸ばす。
「きれいにしたんですね」
「おまっ…起きてっ…」
途端に顔を真っ赤に染めてのけぞるジミニヒョンを抱き寄せて、腕の中に抱き抱える。僕はそのまま起き上がって、仰向けにしたジミニヒョンの上に覆いかぶさった。
「一緒に起こしてくれたらよかったのに」
「だ、だって…その…」
ジミニヒョンはきれいに手入れされた顎を手で撫でた。
「気にする…かなって」
「気にしないです」
僕はそう言って、ジミニヒョンの顎に「ちゅ」とキスをした。
「もしかして…女の子みたいにしなきゃとか思ってるなら、全然違いますから」
「でも…」
「ジミニヒョンだから好きなんです…だから、髭が生えてる姿も好き」
「ジョングガ…」
ジミニヒョンの瞳が潤む。顔を寄せると、自然に薄く開くその唇を塞いだ。ジミニヒョンの腕が背中に回ってきゅ、と抱き寄せられる。
あー、いい雰囲気…
このまま、抱きたいな…
ちゅ、とかすかに音を立てて、甘く、食むように何度もくちづける。ジミニヒョンの手のひらが僕の頬を包み込んだ。
「ジミニヒョン…あれ」
僕の頬を手で挟んだまま、なぜか不満気に唇を尖らせてゆくジミニヒョンに僕は目を丸くした。
「どうしてお前は髭生えてないの?」
「ふはっ」
思わず噴き出すと、ジミニヒョンはますます唇を尖らせて眉を寄せた。
「確かにあんまり生えないです、僕」
「ずるい」
「ふふっ…体質ですから…」
小さく笑いながら、ジミニヒョンの首筋にキスをする。
「あ…」
「ね、気持ちよくするから、機嫌なおして下さい…」
囁くと、背中に巻きついてくるジミニヒョンの腕を感じて、僕は頰を緩めた。