*BL妄想

(ジョングク×ジミン)です

   苦手な方は閲覧ご注意ください

*BTS WORLD のアナザーストーリーのアナザーストーリーです☆

*第一話はこちら 

















Side JK






ジミニヒョンのお店へ続く道を、ジミニヒョンの手をぎゅっとつないで歩く。


チス先輩はあっという間にヤンウン高校のお飾りの大将を負かし、僕らの勝ちが決まった。チス先輩は祝勝会にジミニヒョンも誘ったのだけど、お店があるから、とジミニヒョンは笑って首を振った。チス先輩は僕に、「ジミンさん送っていけ」と言ってくれて、もとよりそのつもりだった僕は、チス先輩に大いに感謝した。少なくとも今日は、ジミニヒョンをひとりにはしたくなかった。



お店に帰る途中にある小さな公園の前で、ジミニヒョンはぎゅっと僕の手を強く握った。驚いてジミニヒョンの顔を見ると、なぜか恥ずかしそうに頬を染めている。



「ど、どうしました?」



「あの話したいことあるから寄ってこ?」



ジミニヒョンはちらりと視線を公園に投げてから、僕をじっと見つめた。






か、可愛い




「うん



僕はドキドキしてしまって、返事もそこそこに、手を繋いだまま誰もいない公園に入って行った。小さな公園だけど、木々がたくさん生えており、その間を初夏の風が爽やかに吹き抜ける。僕たちはベンチに腰掛けた。僕たちが初めてキスした場所だ。



「今日、おめでとうすごくかっこよかった」



隣に腰掛けたジミニヒョンがにこ、と微笑んで、僕は本当に嬉しくなった。



「ありがとうございますどうしても、勝ちたくて



そこまで言ってから僕は、勝ちたかった理由の一つを思い出した。ムホに勝ったら「キスの先のこと」をしていいか聞いたとき、ジミニヒョンは「ムホに勝ったらね」と確かに言ったのだ。思い出すと、頬が熱くなってきた。



「勝ったらそのジミニヒョンと



上擦った声が出てしまい、僕は唾を飲み込んだ。ジミニヒョンの頬が紅を差したように染まった。



「うんそれで話そうと思って



ジミニヒョンはぎこちなく微笑んだ。




ど、どうしよう




気持ちが変わっちゃったとか?




緊張でドキドキしながらジミニヒョンの言葉を待つ。ジミニヒョンは一瞬目を伏せて、また僕を見て、恥ずかしそうに微笑んだ。






「あの僕、ジョングクと、お泊まりしたいな



言い終わるとジミニヒョンは両手で顔を覆って身をよじった。




お泊まり……!!




僕はその言葉の強烈な甘美さに衝撃を受けた。ジミニヒョンの両手を自分の両手でぎゅっと包み込み握る。



「いいいい行きましょうっ!お泊まりっ…」



僕の勢いにジミニヒョンは目を丸くした後、「ふふふっ」と噴き出した。揺れる髪から覗く耳が真っ赤になっていて、僕はジミニヒョンの手を包む手に力を込めた。



「僕、どこか探します」



僕が力強く言うと、ジミニヒョンはいたずらっぽい笑みを浮かべた。



「僕、行ってみたいところあるんだ」



「どこですか?どこでも



「海雲台(ヘウンデ)ビーチのホテルマドリン」



「ほっ⁈まっ⁈」



僕は驚きすぎて変な声を出してしまい、それを見たジミニヒョンがまた体を折って笑った。




ホテルマドリンって




確か、一泊50万ウォンは下らない五つ星高級ホテル




ジミニヒョンを見ると、期待のこもった瞳でにこにこ笑ってこちらを見つめていた。




うー、弱った




夏休み中バイトすれば貯まるかな