*BL妄想

(ジョングク×ジミン)です

   苦手な方は閲覧ご注意ください

*BTS WORLD のアナザーストーリーのアナザーストーリーです☆

*第一話はこちら

















Side JM







「こっちですっ」



僕を呼びに来た高校生は、廊下を走り、体育館を出た。



「あれ?体育館じゃ



「ジョングクはこっちに運び込まれてます」



ジョングク、と名前を聞くと胸の奥がきゅっと絞られたみたいに不安になる。その子の後に走ってついていくと、体育館の裏手の倉庫にたどり着いた。少しだけ開いたドアから、その子を追って中へ入る。



「ジョングク、大丈夫?あれ?わっ」



ジョングクの姿が見当たらない。そう思った瞬間、僕の背中に何かが飛びついてくる。事態を把握した時には、既に何者かに羽交い締めにされていた。もう1人、僕を呼びに来た子が後ろを走っていたのだ。前にいた少年が、素早くドアを閉め、倉庫は窓から入る灯りだけの薄暗闇になった。



「あっ、こらっ、何する



2人は素早く僕の腕を後ろでまとめた。1人が細い紐状のもので僕の手首を縛る。



「こらっ、やめろっ痛っ」



抵抗すると、どん、と強く押されて地面に尻餅をつく。その座った姿勢のまま、後ろ手にバスケットのゴールの柱の下の方に括り付けられた。



「かなりのお人好しで助かったなあ」



「ああ」



その時僕は気づいた。彼らの制服はヤンウン高校のものだ。



「なんでどういうつもり



「手荒な真似をして悪かったです」



大柄だけど、どこか気弱そうな表情をした少年がしゃがみこみ、僕のシャツに着いた汚れを払いながら言った。もう1人は小柄な少年だ。



「えジョングクは?どこ



改めて倉庫内を見回す。跳び箱やマットレスやサッカーボールなどが所狭しと置いてある。ジョングクの姿はやはりない。



「ジョングクは体育館です」



大柄な少年が体育館の方向をちらりと見た。



「じゃあ、倒れたってのは



「嘘です」



「よかったぁ



安堵が胸に広がる。僕はほうっ、とため息をついた。



「ふ、やっばりお人好しすぎる縛られてるってのに」



「へ⁈」



そばで見ていた小柄な少年が鼻先で笑った。僕が顔を見上げると、彼はにやりと口角を上げた。



「ジミンさんには、今体育館でやってるテコンドーの試合の間だけ、ここにいてもらいますよ」



「え?なんで僕試合見に来たのに



小柄な少年はにやにやしたまま黙っていた。大柄な少年も黙ってこちらをじっと見つめているだけだ。僕は慌てて手首をぐい、と引っ張り上げたが、紐が少し動き、固定先のバスケットのゴールがかすかなきしみ音をたてただけだった。小柄な方の少年が眉をしかめて、僕の方へ近づくと、顎に手をかけて、くい、と僕の顔を上げさせる。



「大人しくしていれば、試合の後解放しますから



「なんでこんなこと僕、ジョングクを応援したいよ離して」



僕は首を振って彼の手を振り払った。僕は焦り始めていた。ジョングクは僕が来たのを知っているはずだ。試合の時に僕がいないと知ったら、ジョングクはきっと心配するだろう。