「来てくれるなら、連絡してくれればよかったのに〜」
ジミニヒョンは口を尖らせて、慌てて前髪を直すそぶりをした。久しぶりで、照れているんだとわかって胸がとくん、と鳴る。
「ん」
カウンターの中に勝手に入って、ジミニヒョンに近づいて抱き寄せる。腕の中にジミニヒョンの柔らかい体を感じて、ほうっとため息をついた。
「はあ…ジミニヒョン補充、できた…」
「ふふっ、補充ってなんだよ…」
ジミニヒョンが恥ずかしそうに微笑んで、僕の背中に腕を回してくる。
「補充は…補充です」
「ふふ…なにそれ…っん…」
いきなり唇にくちづけるのがなんだか照れくさくて、耳にちゅっ、と軽くキスをする。ジミニヒョンが真面目な顔になって僕を見た。
「ジョングク…」
「会いたかった…です…」
額をくっつけて囁くと、ジミニヒョンは僕の首根に腕を巻き付けた。
「…僕も…」
一瞬にして吐息は混じり合って、唇が重なった。濡れた熱を感じると、ドキドキするのと同時になぜか安心できて、ギュッとジミニヒョンの体を抱きしめる。確かめるように吸ったり甘噛みしてみたりして、ようやく唇を離した。
「…練習、うまくいってる?」
ジミニヒョンが心配そうに僕の頬に手を添えて撫でながら言った。
「はい、大丈夫です。ジミニヒョンのことばかり、考えちゃうけど…」
「ふふっ…バカだな…ちゃんとしなきゃ」
「ちゃんとしてます」
顔を寄せてくすくす笑うジミニヒョンにドキドキする。だけど、ジミニヒョンの目の下にクマができているのに気付いて、僕は聞いた。
「ジミニヒョンは?コンテスト…どうなりました?」
確か、今日が応募締め切りの日のはずだ。
「終わったよ…今日一応、納品してきて、昼間審査があったはず…受賞したら、連絡があるみたいなんだけど…」
ジミニヒョンは落ち着かなさげにカウンターの脇に置かれた電話を見た。その時、その電話が鳴り出して、ジミニヒョンも僕もびっくりしてびくっと体を揺らした。慌ててジミニヒョンが電話に駆け寄って受話器を取った。