「ぁ…うぅ…ジョングガぁ」
濡れた熱で鎖 骨の稜線をなぞっていくと、ジミニヒョンの手がおずおずと僕の頭を抱いた。
可愛い…たまんない…
鼻先をシャツの奥に埋めて、くちづけを下へ下ろしていく。ジミニヒョンの体がまたびくっと大きく揺れた。
「あっ…だ、だめっ…」
ジミニヒョンの焦ったような制止の声で僕はようやく顔を上げた。
「あ…あの…」
海の上にかかる橋の明かりがジミニヒョンの頰を照らして、眉が困ったように寄っているのが見える。
「ごめんなさい、やりすぎた…」
キスの先には進まないと決めていたのに、このざまは一体なんだろう。目の前にはシャツの襟を乱したジミニヒョンが、瞳を潤ませて僕を見つめていた。
「ううん…あの…イヤ、とかじゃ…なくて…」
開けたシャツのボタンを僕が留め始めるのを見て、ジミニヒョンは慌てたように言った。
「なんか…どんどん変な気持ちになってきて…それで…ちょっと…びっくりして…」
変な気持ちなのはもとより僕もだ。だけど、戸惑うジミニヒョンが可愛くて、僕はもう少し困らせてみたくなった。
「変な気持ちってどういう感じですか?」
「え…」
目を見開いたジミニヒョンの頰が、ほんのり染まっていく。
「えっと…」
ジミニヒョンは一瞬目を伏せて言い淀む。
「あの…なんか…ジョングクと…」
ジミニヒョンが窺うように、ちらりと僕の顔を見た。
「もっと…その…くっつきたいっていうか…」
…うあ。
言い終わるとジミニヒョンは恥ずかしそうに両手で顔を隠した。
「…ジミニヒョン」
膝を立てて抱き直して、そのまま胸の中に抱き寄せる。ジミニヒョンはまだ恥ずかしいのか、僕の肩に手で顔を隠したまま伏せ、「うう」とうめいた。
「ね、ジミニヒョン」
「はい」
丁寧な返事に僕は噴き出した。
「僕、ムホに勝つために今すっごく練習してて…それで…」
僕が語り始めると、ジミニヒョンは顔を上げて僕を見た。
「ジミニヒョンとこれ以上その…え っちなことしたら…練習に身が入らなくなりそうで…今日はしないでおこうと思ってるんですけど…」
ジミニヒョンは僕を見つめたままこくん、と頷いた。
「ムホに勝ったら…キスの先のこと…全部、していいですか?」