ジミンさんは困ったように眉を寄せた。
「付き合うって…その…僕、どうすればいいのかあんまりわからなくて…」
な…
澄んだ瞳を潤ませて、不安そうに僕をじっと見つめるジミンさんに、気持ちが爆発しそうになる。
やば…
可愛い…
僕は出会った日のことを思い出した。僕の唇についた餅粉を指で拭ってくれたジミンさんは、あんなにも妖艶だったのに…
「僕、ダンスとか…お餅のことくらいしか、ちゃんと考えてこなくて…そういうのってあんまり分かってなくて…ごめん」
小首を傾げて、申し訳なさそうに話すジミンさんの背中に思わず、両腕を回して抱き寄せる。
「じゃ…その…こういう風にするのはイヤだったりしますか?」
ぎゅっと腕に力を込めると、僕の腕の中で、ジミンさんは頬を染めて、僕を見つめて首を振った。
「ううん」
僕は、その答えに安堵して、ジミンさんの唇に、ちゅ、と軽くキスをした。ジミンさんが目を丸くする。
「これは?イヤですか?」
ジミンさんは照れたように笑って首を振った。
「ううん…」
「じゃ、もっかい…します、ね」
「うん…ん」
ジミンさんから許しの言葉が出る前に、唇はほとんど触れ合っていた。柔らかな頰を手で包んで引き寄せ、温かな唇の感触を自分の唇に感じると、その奥の熱を確かめたくてたまらなくなった。薄く唇を開けて、ジミンさんのふっくらした下唇をノックした。
「ぁ…」
互いの唇からかすかな吐息がこぼれるのと同時に、僕は唇の中に進入した。戸惑っているようなジミンさんの熱を見つけて、触れる。
「んっ…んん…」
ジミンさんが吐息を漏らしながら、僕の背中に腕を回して来るから嬉しくなって、さらに奥まで進めて絡ませ合う。
ジミンさんと、こんな…キスしてる…
「っふ…」
何度も角度を変えて貪るように触れ合うと、かすかに濡れた音が唇の中から漏れてぞくぞくする。最初は戸惑っていたようなジミンさんだったけれど、僕の熱を受け止めて求めてくれるのを感じると、理性がどこかにいってしまいそうだった。「ん…」と吐息の混じったジミンさんの小さな声をきっかけにして、僕は名残惜しさを感じながら、ゆっくり唇を離した。
「はぁ…あの…」
ジミンさんは、少し息を切らしたみたいに呼吸をして、とろんとした瞳で僕を見た。僕は紅潮したジミンさんの頰を撫でながら口を開いた。
「ジミニヒョン…ほっぺた、お餅みたい」
呼び方を変えてみると、ジミニヒョンは照れくさそうに微笑んだ。
「柔らかい?」
「柔らかいよ…」
もう一度くちづけしようと顔を寄せると、ジミニヒョンはくすくす笑った。