*BL妄想

(ジョングク×ジミン、テテ×ユンギ 他)です

   苦手な方は閲覧ご注意ください

*画像お借りしています


*第1話はこちら















Side NM









ジョングクの運ばれた病院から宿泊先のホテルへ戻る。皆はすぐめいめいの部屋に戻って行ったが、俺はなんとなく一人でぼんやりしたくなって、ロビーラウンジの窓際のソファに座った。真夜中のロビーラウンジでは静かにお酒を飲む人たちが数人いるくらいだ。すぐにホテルのスタッフがにこやかに飲み物を聞きにきた。オーダーしてソファに身を沈める。




今日は疲れたな




その時、誰かが近づく気配がして、顔を上げた。



「ホビ



ホソクが俺を見てにこ、と笑うと、向かいのソファに座った。



「ジョングクに連絡したんだって?」



ホソクはそう言って、優しく微笑んだ。途端に数時間前のことが蘇る。ジョングクに、皆とは別のホテルに、ジミンと一緒に泊まると伝えた。そうしないと先に進めないと思ったからだ。俺も、ジョングクも、ジミンも。



ホソクに頷いてみせる。




「…そのままジミンと泊まっちゃえばよかったのに」



「まあ普通そうだよな



好きな奴を落とそうとしている時に、別れていたとは言え恋敵を呼ぶなんて。ホソクの微笑む瞳がそう言っていた。



「そういうお前が好きだけどな?」



ホソクがそう言ってくれてありがたくて、俺も微笑んだ。



「ありがと」



俺が短く礼を言うと、ホソクは小さく笑った。



ウリリーダー、わかってないようだから教えてあげるけどさ」



ホソクは身を起こして、俺の方へ顔を近づけた。



「へ



ちゅ、とかすめるような一瞬の、頰へのキス。ふふ、と照れくさそうに笑うホソクの顔を見ながら、俺は事態がわからなくてぽかんとした。



「さっきの『好き』はこういうこと、だからな?」



ホソクは言い終わると立ち上がった。バーカウンターからスタッフが飲み物を持って近づいてくる。



「『捨てる神あれば拾う神あり』だよ〜♪」



ホソクは日本語でそう言うと、すれ違い様に、まだぽかんとしたままの俺の肩をぽんぽんと叩いて、軽い足取りで去っていった。スタッフが遠慮がちに俺のテーブルに飲み物を置いて去っていく。




いや、捨てられた訳じゃないし




日本語の意味を頭で組み立ててから、俺はにや、と笑った。






拾う神、か




俺は「おやすみ」を言いたくて、スマホの中の「希望」のメッセージスレッドをタップした。