俺たちのうめき声だけが聞こえてくる状況に、異変を感じたホソクはすぐにソジュニヒョンに連絡を取ろうとしたようだ。しかし、当然ながら彼は出ず、あまりにも緊迫した俺たちの声に、スタッフとホテルの判断で、部屋のキーが開けられた。
「ジニヒョン、テヒョン!」
一番に部屋の中に入ってきたホソクはすぐに俺たちの口のガムテープを外してくれた。数名のスタッフも部屋に入ってくる。
「はぁ…助かった」
「これはいったい…」
俺たちのロープを緩めながら、ホソクは辺りを見回した。
「ソジュニヒョンが…銃を持ってて…ユンギを人質にして出て行った」
「銃?ソジュニヒョンが?」
ロープを緩めてもらいながら、手短に状況を説明する。聞いているホソクとスタッフの顔つきがどんどん険しくなっていく。
「ユンギヒョン…どこへ連れていかれたんだろう…」
「オリエントホテルだと思います」
テヒョンがつぶやき、皆が彼を見た。彼はポケットを探って「あ!」と叫んだ。
「ソジュニヒョンに取られたんだった…」
「なんだ?」
「スマホに入っているんです…ソジュニヒョンがジョングクへ出した脅迫の手紙…」
そこからテヒョンが話してくれた内容は衝撃的だった。皆、しばらく何も言えず押し黙った。
「ジミンを…?」
ホソクが眉をひそめる。
「だから、別れたのか、あんな泣いて…」
みるみるうちにホソクの目に涙が盛り上がり、それを見たテヒョンも涙ぐんだ。
「さっきジョングクは、ジミンのことでオリエントホテルに行くと言っていた。ジニヒョンがソジュニヒョンにタクシーの手配を頼んだから、それで…」
「ジョングクがジミンに接触することを知ったソジュニヒョンが…何か行動を起こそうとしていたのか…」
ソジュニヒョンの持っていた銃のことを思い出すと、背筋が凍るような気持ちになった。
「ジミンが危ない…知らせないと」
ホソクがスマホを取り出して電話をかけた。
「…ダメだ、出ない」
「俺たちもオリエントホテルに向かおう…ユンギも心配だ」
俺が言うと、テヒョンも頷いた。
「ユンギヒョン、俺をかばってくれた…」
力なく呟いて、涙をこぼすテヒョンを俺とホソクがぎゅっと抱きしめた。