*BL妄想(ジョングク×ジミン、テテ×ユンギ 他)です

   苦手な方は閲覧ご注意ください

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*第1話はこちら

























Side JM








ナムジュニヒョンに言わなかったことがある。


席に通されて、美しい夕焼けを見たときからジョングクを思い出していた。美しい景色、美味しい食べ物、楽しい出来事。そういったものに出くわしたら、ジョングクと共有したいし、ずっとそうしてきた。








だから本当は、「思い出させてすまない」なんてナムジュニヒョンが謝る必要なんかなかったのだ。僕が動揺したせいで気を遣わせてしまった。



それなのに、ナムジュニヒョンの体温が心地よくて、僕はまた甘えてしまった。ナムジュニヒョンの力強い腕で抱き寄せられるとホッとした。もう何も考えなくていいような気がしたからだ。



気持ちを整えてから顔を上げる。ナムジュニヒョンの心配そうな視線とぶつかった。



「落ち着いたか?」



はい」



僕の顔を見て、ナムジュニヒョンは一瞬眉をしかめたけれど、すぐに微笑んだ。その時、「失礼します」と店員さんの声がソファの後ろから聞こえたから、僕達は自然と離れた。オーダーした料理が並べられる。



「うまそう中華久しぶりだな前食べたのいつだろう」



「みんなでケータリング取った時じゃないですか?」



「あああの時ユンギヒョンがエビチリばっかり食べてて



「ふふっ」



ナムジュニヒョンとたわいない話をするのは心が落ち着いた。




こうやって、ジョングクとのことを忘れて




少しずつ、少しずつ、前に進んでいけたらいいな




窓の外では、高層ビルの灯りが一つ一つ光度を強めていく。



夜景が本当にきれいだ。お酒も美味しい。自分を気遣って連れ出してくれる仲間もいて、僕はこれ以上何を望むんだろう。充分、幸せじゃないか。



「ジミン、マッコリあるらしいぞ。飲む?」



英語で店員さんに何やら聞いていたナムジュニヒョンが振り向いて僕を見た。



「はい!」



僕は少し明るい気持ちになって頷いた。