*BL妄想(ジョングク×ジミン、テテ×ユンギ 他)です

   苦手な方は閲覧ご注意ください

*画像お借りしています


*第1話はこちら























Side NM








次の都市へ移動して、リハーサルが早く終わった日の午後、俺は楽屋で2人になった時にジミンに声をかけた。



「今日飲みに行かないか?」



振り返ったジミンの俺を見上げる瞳が澄んで見えてドキドキする。ジミンの唇が三日月型にカーブを描くのを見るともっとドキドキした。



「ナムジュニヒョンのおごりですか?」







お互いお金には困っていないくせに、茶目っ気たっぷりに言って微笑むジミンが可愛くてたまらない。



「うん前、お前行きたいって言ってたとこあるだろ」



この都市に来ることになって、休憩時間に2人でいる時、ネットで見つけたのは、タワー型のホテルの最上階、中華料理を出すダイニングバーだ。窓に向かってソファ席が配され、全面のガラス窓からは夜景が見える。「行ってみたいなあ」と呟くジミンの小さな声を俺は覚えていた。



「へへじゃあ行きたいです」



嬉しそうに笑うジミンの顔を久しぶりに見た気がして、俺は嬉しかった。












宿泊していたホテルからタクシーに乗り、目的のホテルへ着いた。中国資本のホテルのロビーは豪華な作りで、真っ赤な大輪の花をいくつも使った大きなフラワーアレンジメントが目を引いた。ジミンは雰囲気に気圧されたみたいに自分の身につけているものを見た。



「今更だけど大丈夫ですかね、この服」



Vネックのゆるめのトップスに、ぴたっとした黒いパンツ。見るものが見れば高級とすぐわかるネックレス。手入れされていることが一目でわかる髪と真白な肌。



「完璧だろ」



冗談じゃなく、そう思った。ジミンは本当に美しくなった、としみじみ思う。もちろん出会ったばかりの頃のジミンのことも好きだ。今も中身は、いい意味で、全然変わらない。ただ、外見はどんどん洗練されていって、見る者を翻弄する。



エレベーターで最上階まで上がる。出迎えてくれた黒服の男に予約の旨を告げると、すぐにフロアの奥のソファ席に通された。バーはホテルゲストがエレベーターで行ける最上階にあるが、実際は上にもう1フロアあり、バーの中に行き来が出来る階段があった。その階段の上から見ると、このホテルのシグネチャーともいえる豪華なバーカウンターと、その後ろの窓からの夜景が見える仕組みだ。



通された席には、5人くらいならゆうに座れそうな大きなソファが窓に向かって配されている。窓の外には夕暮れの空と、夜に向かってきらめきを増しはじめていこうという街が広がっていた。



「わあすごい



「きれいだな」



日がもうそろそろ落ちそうで、空の端がだんだんと薄赤いグラデーションを作っている。