*BL妄想(ジョングク×ジミン 他)です
*第1話はこちら
Side JM
「ヒョン…」
「泣いていいから」
そう言うと、ナムジュニヒョンは僕を抱きしめる腕に力を込めた。僕は素直にナムジュニヒョンの胸に顔を埋めた。
あ…あったかくて…なんか…落ち着く…
涙はまだ溢れてきたけれど、ナムジュニヒョンの体温を感じるとホッとした。ナムジュニヒョンは僕の肩をゆっくり撫でた。僕が涙を拭いてから顔を上げると、彼は微笑んだ。
「落ち着いたか?」
「はい…」
目が合うと途端に恥ずかしくなって、僕も微笑んだ。ナムジュニヒョンは嬉しそうに片方の口角を上げ、僕をゆっくりと離した。
「あの、さ…」
ナムジュニヒョンはそう切り出した後、珍しく言い淀んで、僕から一瞬視線を外した。
「なんですか?」
「実は…これは墓場まで持って行こうと思ってたことなんだけど」
ナムジュニヒョンが僕を見た。何のことを言っているのかわからなくて、僕は微笑んだまま首を少し傾げた。
「俺、お前のこと…好きだよ」
「へ⁈」
僕はびっくりして変な声を出してしまった。
ナムジュニヒョンが、僕を…?
ナムジュニヒョンは、照れているのか、しきりに顔やうなじを手で触った。
「お前がジョングクと幸せにしてたから、なおさら、ずっと言うまいと思ってたんだけど…」
ジョングクという名前に、目が潤む僕を見てナムジュニヒョンは眉を寄せた。
「ずっと、好きだった。ごめん、突然」
「そんな、ごめんだなんて」
ナムジュニヒョンが顔の前で手を合わせたから、僕は慌てて手を振って、ナムジュニヒョンに近づいて二の腕に触れた。
「今はまだ…そんなこと考えられないだろうし」
ナムジュニヒョンは、今度は遠慮がちに僕の背中に腕を回して抱き寄せた。
「俺も、すぐにどうこうってわけじゃない」
「あ…」
ナムジュニヒョンは僕をまたぎゅっと抱きしめて、髪を撫でた。
「ただ、お前のこと好きな奴がそばにいるって…覚えておいて…」
ナムジュニヒョンの声は優しくて、僕はまた少しだけ、彼の腕の中で泣いた。