*BL妄想(ジョングク×ジミン 他)です

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*第1話はこちら























Side JM









世界の終わり。




それが本当に、こんな突然、来るなんて。








恋人に別れを告げられたくらいで、大げさだな、と言われるかもしれない。




でも僕にはジョングクを失うことは、世界の終わりを意味した。





部屋に戻って、目が腫れるのも構わず泣いた。翌日はメンバーに心配されるくらいひどい顔になっていた。



僕にとって意外だったのは、ひどい顔になっているのはジョングクも同じだったことだ。自分から別れを告げたくせに、なんだよ。僕は頭の中でそう悪態をついたけれど、表に出てくるのは全部涙になった。メンバーは僕らの事情を察したようで、そのことには明確には触れなかったが、気遣ってくれてるのが伝わってきた。楽屋にいる今も、ジョングクにはホソギヒョンが、僕にはテヒョンがとなりにぴったり寄り添ってくれている。



「食えよ新しい味、出たから」



テヒョンはさっきからずっと、新しく韓国で発売されたチョコレート菓子を僕に食べさせようとしている。テヒョンなりに僕を元気づけようとしているのがわかって、そのことも涙が止まらなくなる原因になった。



「今はいいよ。ありがと」



「食ったら、忘れるから」



断ったのにテヒョンは僕の口にチョコレートを無理矢理押し付けてくる。僕は小さく笑って、口を開け、チョコレートを口の中へ入れた。味はよくわからない。ぼんやりとテヒョンの言葉を反芻する。





忘れる僕は何を忘れればいいんだろう





ジョングクのこと?




ジョングクと恋人だったこと?





ジョングクに僕の他に、好きな人が出来たこと?





また瞳に涙を溢れさせる僕を、テヒョンはぎゅっと抱きしめてくれた。












それから数日間、僕はステージにいつも以上に没頭した。否が応でも目に入ってくるジョングクを見ても、涙が出なくなるまでにはなった。だけど、ふとした瞬間、湧いてくる「なぜ」を打ち消せずに、僕は涙ぐんだ。





いつになったら、この苦しみは終わるんだろう。





僕の「世界」は終わったというのに










リハーサルが終わって、楽屋に戻るとナムジュニヒョンが着替えをしているところだった。僕も着替えようと楽屋に入ると、僕に気づいたナムジュニヒョンに「ジミン」と呼びかけられた。



「はい、何ですか?」



気持ちは晴れないままだったけれど、ナムジュニヒョンに心配をかけたくなくて、とっさに微笑む。



「あ、その大丈夫か?」



こちらを慮るナムジュニヒョンの優しい声に、たちまち涙腺が緩んだ。



「ご、ごめん



「いえごめんなさいこんな



僕はぐす、と鼻をすすりながら首を振った。



「ナムジャらしくないとこ見せて



涙で前が霞んだ瞬間、ナムジュニヒョンの力強い腕が僕を抱きしめた。