Side T
「ユンギヒョン」
小さな部屋のベッドの上に、ユンギヒョンがうつ伏せで寝ていた。両手でスマホを持ったままだ。髪の間からちらりと見えるユンギヒョンの顔はいつにも増して白く、まぶたは固く閉じられている。
ユンギヒョンは本当にピクリとも動かなくて、俺は不安にかられて枕元に近づいてひざまづいた。
「ユンギヒョン、大丈夫?」
目を閉じていたユンギヒョンは、ゆっくりと目を開けた。
「…テヒョン…」
苦しそうな小さな声で名前を呼ばれると、心配と切なさが込み上げて、胸がきゅう、と絞られたように感じた。
「ユンギヒョン、どうしました?しんどいですか?」
「…ごめん」
ユンギヒョンは呟いて起き上がろうとした。その体がふらふらと頼りなげに揺れる。俺は慌てて体を支えた。体が燃えるように熱い。
「熱ありますか?」
力のない体を支えると、ユンギヒョンは俺の腕から抜け出そうと俺の体を押した。
「…だめだ、うつる…」
「大丈夫です…あ、俺にもたれて…寝かせますから」
俺はユンギヒョンの体を支える腕に力を入れた。ユンギヒョンは大人しくなって、俺に体重を預けた。俺は彼をベッドに仰向けに寝かせ直した。ユンギヒョンは目を開けて、俺を見た。
「連絡…しようとして…寝てた、ごめん」
申し訳なさそうに、ユンギヒョンが顔をしかめて、俺は部屋に入った時のユンギヒョンの姿を思い出した。
「こうしたまま?」
顔の前で両手でスマホを持つ仕草をすると、「ふ」とユンギヒョンが笑って、俺は嬉しくなった。
無視されてたわけじゃなかったんだ…
「ユンギヒョン、大丈夫?」
目を閉じていたユンギヒョンは、ゆっくりと目を開けた。
「…テヒョン…」
苦しそうな小さな声で名前を呼ばれると、心配と切なさが込み上げて、胸がきゅう、と絞られたように感じた。
「ユンギヒョン、どうしました?しんどいですか?」
「…ごめん」
ユンギヒョンは呟いて起き上がろうとした。その体がふらふらと頼りなげに揺れる。俺は慌てて体を支えた。体が燃えるように熱い。
「熱ありますか?」
力のない体を支えると、ユンギヒョンは俺の腕から抜け出そうと俺の体を押した。
「…だめだ、うつる…」
「大丈夫です…あ、俺にもたれて…寝かせますから」
俺はユンギヒョンの体を支える腕に力を入れた。ユンギヒョンは大人しくなって、俺に体重を預けた。俺は彼をベッドに仰向けに寝かせ直した。ユンギヒョンは目を開けて、俺を見た。
「連絡…しようとして…寝てた、ごめん」
申し訳なさそうに、ユンギヒョンが顔をしかめて、俺は部屋に入った時のユンギヒョンの姿を思い出した。
「こうしたまま?」
顔の前で両手でスマホを持つ仕草をすると、「ふ」とユンギヒョンが笑って、俺は嬉しくなった。
無視されてたわけじゃなかったんだ…
よかった…
「ユンギヒョン、風邪?」
「ああ。なんか夕方から急に熱上がって来た…」
ユンギヒョンはそこまで行って、つらそうに「はぁ」と息を吐いた。
ああ、本当につらそうだ…
なにか、してあげたいな…
「お前、うつるから帰れ…よ…」
ユンギヒョンが言うのに構わず、俺はユンギヒョンの額に手のひらを当てた。俺の手のひらの下でおとなしくしているユンギヒョンの顔は、心なしか幼く見えて、ドキドキする。
「熱い…」
「…そりゃ、熱あるから」
ユンギヒョンはぶっきらぼうに言うと、また「うつるから今日は帰れ」と繰り返した。
「話なら治ったら聞くか…」
「何か食べましたか?」
「や、なんも…」
俺はすくっ、と立ち上がった。
「なんか食べなきゃいけません。俺、なんか作って来ます」
「へ?テヒョ…いいって…」
熱のせいで苦しそうなユンギヒョンの声を背に、俺はユンギヒョンの部屋を出た。
「ユンギヒョン、風邪?」
「ああ。なんか夕方から急に熱上がって来た…」
ユンギヒョンはそこまで行って、つらそうに「はぁ」と息を吐いた。
ああ、本当につらそうだ…
なにか、してあげたいな…
「お前、うつるから帰れ…よ…」
ユンギヒョンが言うのに構わず、俺はユンギヒョンの額に手のひらを当てた。俺の手のひらの下でおとなしくしているユンギヒョンの顔は、心なしか幼く見えて、ドキドキする。
「熱い…」
「…そりゃ、熱あるから」
ユンギヒョンはぶっきらぼうに言うと、また「うつるから今日は帰れ」と繰り返した。
「話なら治ったら聞くか…」
「何か食べましたか?」
「や、なんも…」
俺はすくっ、と立ち上がった。
「なんか食べなきゃいけません。俺、なんか作って来ます」
「へ?テヒョ…いいって…」
熱のせいで苦しそうなユンギヒョンの声を背に、俺はユンギヒョンの部屋を出た。