Side JK
エレベーターホールでボタンを押して乗ろうとした瞬間、「ジョングガ!待って」と呼び止められる。振り向くと、5人が付いてきていた。
「心配だから、俺らも行くよ」
ナムジュニヒョンが言い、皆一緒に乗り込んだ。僕らの部屋のフロアボタンを押すと、エレベーターはゆっくり動き出す。いつもよりゆっくり動いているように感じて僕はもどかしくなった。
「クォンさんってそんなにジミニのこと狙ってる感じあったのか?」
ホソギヒョンが確認する。
「ありましたよ。だから…今すごく焦ってます…」
僕はズボンのポケットに入れたカードキーを取り出してぎゅっと握りしめた。
「取り越し苦労だといいな」
「うん…」
ヴィヒョンが僕の肩をぽんと叩いて僕は頷いた。
目的のフロアにエレベーターが到着する。
「ジミナの部屋番号わからないな」
「1013号室です。こっち」
僕がカードキーに書かれている番号をナムジュニヒョンに伝えると、彼は驚いた顔になった。
「それジミナの?」
「はい」
廊下を小走りに進みながら僕は頷いた。
「なんでお前が持ってるんだ?」
ナムジュニヒョンに言われて、僕はハッとした。朝一緒にいたから…つい持ってきちゃったんだ。
「い、いいじゃないですか…それより今は早くジミニヒョンの無事を確認したいです」
「そうだな」
僕が言うとナムジュニヒョンは頷いた。
…危なかった…
バレるところだった…
僕はバレてもいいと思っているけれど、ジミニヒョンが怒りそうだ。僕はカードキーをポケットにしまった。廊下には誰もいなくて、僕たちはすぐにジミニヒョンの部屋の前にたどり着いた。コンコン、とノックしてみるがなんの応答もない。胸騒ぎがして、僕はすぐさまカードキーを取り出した。
「それ…」
ヴィヒョンが驚いたように声をあげたけれど、僕はもう構わず黙ってドアに差し込んだ。
(僕見てきます…待ってて下さい)
人差し指を唇に当てて、静かにするようにお願いすると皆神妙な顔つきで頷いた。僕は静かに部屋の中に入った。