よく信号待ちで止まる交差点横の電器店。
その店頭に、犬の像が置いてあります。
名前はニッパー君。そうです。あの、有名な、
ビクターのトレードマークの犬です。
亡くなった、かつての飼い主の声が蓄音機の
スピーカーから聴こえてきて、それを聴いている
場面が描かれた、あの絵が元になっています。
お店の外側のニッパー君は、後姿が見えます。
片方の耳を上げ、首を傾げて聴いています。
そして、お店の内側にも、もう1匹のニッパー
君。こちらは、斜め前から見られます。
前に挙げた、耳、首の動かし方に加え、その
目が見えます。
何とも切ない目。じ~んときます。人と動物の
心が通い合う、素敵なお話です。
僕が物心ついた頃には、赤い外装、白い操作
面のポータブルレコードプレーヤーがありました
ので、ビクターの、この絵は、随分、親しみが
ありました。押し入れには、スピーカーがラッパ
型ではない、同社の蓄音機が、まだ、きれいな
状態で仕舞われていました。
このビクター、現在は、「JVCケンウッド」に
なってしまっています。
「ケンウッド」も、元は、「トリオ」と言っていまし
た。
愛着のある会社が名前を替えたり、合併など
で消滅してしまうというのは、寂しいです。
「JVCケンウッド」のロゴ、トレードマークは、
どうなっているのでしょうか?ニッパー君の絵は
使われているのでしょうか?
CI「コーポレーテッド・アイデンティティ」戦略で、
ロゴマークを変更する会社もあります。
ハウス食品の場合、僕は、あの、家の影絵に、
家庭の団欒、暖かさを感じていました。
それが、会社名「ハウス」の英字の頭文字
「h」を図案化した物になってしまいました。そこ
には、前に挙げた、「家庭の団らん」も、「暖かさ」
も、一切感じることは、できません。
かなり前に、このニッパー君について、触れた
ことがあったと思いますが、今日、改めて、
目に、胸に、飛び込んで来るものを感じましたの
で、書いてみました。