毎朝、ほぼ同じ時刻に通る道。その道沿いの
お宅のエアコンの室外機の上に、いつも、同じ
ネコちゃんが1匹います。そのお宅で飼われて
いるのでしょう。お気に入りの場所なのでしょう。
僕の実家のネコは、電気温水器の上がお気に
入りでした。母屋から離れた浴室。その壁の
前に設置されています。
実家に帰った時、門をくぐり、浴室入り口前を
通り、その角の向こうを見ると、いつもいました。
「おお、いたのか」
と声をかけ、ちょっと撫で、母屋へ向かいます。
すると、それまで眠そうにしていたネコが、
背伸びをして、温水器から降り、後をついて
来ます。そして、居間に座った僕の膝の上、
または、広げた新聞紙の上で、毛づくろいを
始めます。撫でると、気持ち良さそうに、
ゴロゴロ言います。新聞の上に来られた時
には、
「仕方がないな、後で読もう」
と、諦めます。俳句「朝顔につるべとられて
もらい水」の心境です。
もう、実家には母もおらず、ネコもおらず、
帰る楽しみが無くなってしまいました。