昨日(11日)朝、立ち寄ったお宅の庭先に、
クマゼミ(オス)が、1匹、仰向けになっていまし
た。
「生きているのかな?うつ伏せにしたら
大丈夫かな?」
と思い、手を伸ばし、体を起こそうとしました。
指が触れると、足が動き出しました。
「ふ~、よかった、生きてた」
そして、その体を下に向けました。
すると、左側の翅が縮んでいます。
「ああっ、羽化途中で落下してしまったの
か!?」
しかも、翅の筋は、もう、しっかりした緑色に
なっています。
セミは元気で、僕の指、手を登って来ます。
すぐ、傍の庭木に指を添え、セミをそちらへ
移すことができました。セミは、元気に幹を
登って行きました。
でも・・・あの翅、もう、伸びることはないでしょ
う。ということは、自由に飛ぶこともできないの
です。地中で4~5年、地上で2~3週間の
一生。こんなに長い間、地中にいて、それに
比べ、はるかに短い地上での生活が、しかも、
過酷な状態になるなんて。
他にも、耳をつんざくような大合唱の樹々の
根元。土だった所が、ある時、舗装されました。
長い間、真っ暗な地中にいて、
「さあ、地上に出るぞ!」
という段になって、地表は完璧にブロックされて
います。
「ああ、何と哀れなことだろう」
と思ったこともあります。
運命、生命、考えさせられました。