今回は「老化 」を考えてみます。残念ながらそんな記事や話題に、つい引き込まれる年となりました。


 雑誌の一節に、心身は衰える一方だという従来の考え方ではなく、加齢も発達の一環である。すなわち、衰退ではなく変化であるという考えが、現代の老年心理学の考え方だという、紹介がありました。現代の老齢心理学の主流は「生涯発達」という概念だそうです。(*1)


 建築物も同じく、部品の劣化は変化である、と歴史を感じさせる建物や家具は教えてくれます。今後は全体のメンテナンスの、やりやすさを重要視しなければなりません。


 建築物では、使ってある部品や素材の劣化の進行具合がそれぞれ異なっています。従って、一番耐久年数のある部品に、できるだけ他の部品の性能を合わせるか、取り替えて行くことで耐久年度を合わせるか、そのバランスが必要です。


 例えば、高価で50年持つ淡路瓦と、安価なセメント瓦、どちらを選ぶかは、考え方の期間により、そのスパン間の総費用が逆転します。結局私たちは、その費用対効果を考え、判断して頂ける情報の提供が重要だと考えています。


 さて、人間に戻しましょう。「生涯発達」してゆくのは、判断力のようです。それは、理解力と洞察力などを含みます。でもそんな発達の条件が、近づく死との向き合い方にあるのです。
 

 悪かったこと、良かったこともすべて合わせて「自分の人生」だと統合し肯定する必要があるということです。統合に失敗すると、もうやり直す時間がない、と絶望に陥ってしまうといいます。
 

 どうも、肉体の衰えに対しても、出来なくなったことを嘆くのではなく、まだこんな方法でできるよ、と肯定したら「老い」が楽になるように思います。まあ、今できることから始めれば、周りから改めて与えていただく新たなプライドとなりそうです。

         甘いかな?  

  ※1:Newton 2021年4月号「老いの教科書」より