今朝、タクシー運転手と景気の戻り具合の話になりました。インバウンドはもちろん、

国内客もまだ少ないので、土日がさっぱり、と言うことでした。

まあ、でも、半年前にこんな状態になっているのを想像だに出来なかった・・・・・

と、ため息交じりで互いに独り言のようにつぶやき合いました。

さらに半年後、全く違った世界が見えるのでしょうか?


それにしても、「専門家」という言葉が大量に発せられています。

私自身「専門家」という言葉に弱いらしく、意見は鵜呑みにしてしまいます。

ところが次々と、違う専門家から違う意見を聞き、鵜呑みにしてゆくと、

今までに無い様な消化不良を起こし、今や拒絶反応を起こしています。

その点ワイドショーのはしごをしている家内は、真剣みが足りないと言いますか、

いいとこ取りのつまみ食いで、延々と続く「専門家」の羅列への正しい対応を
しているようです。


子どもの頃、奈良への遠足で、正倉院のそばで弁当を広げたのを覚えています。

正倉院は「校倉」つくりで、外の湿度が高い時、木が膨らんで空気を遮断し、

湿度が低い時縮んで空気を入れ換える。だから、宝物が千年以上も保存できたんだ。

と誇らしげに習いました。そんな優れた技術ならなんで他に無いんだろう?

何て疑問に思ったのも覚えています。

 

全くのウソであると知ったのは、建築を生業にしてからです。

実は校倉は密着しており隙間はありません。しかも床や天井に気密性が無く、

壁だけの調整では無意味です。結局、周囲が木材に囲まれ、杉の唐櫃に中に納められ
て、二重の湿度調整と高床式に守られていたようです。
 

教科書は専門家が書いていなかったのですね。かように地球に優しくエコな「木」

について、私たちは知っている様で知らないことがたくさんありそうです。


驚くのは、木は千年以上も生き続けています。それだけで驚異なのですが、それが、

炭素と水だけで出来ていることです。(*1)ついでにリフォームの「専門家」として、

木の不思議に触れましょう。(騙されないで下さい木の専門家ではありません)

では、木の、千年経っているのはどの部分なのでしょう?木の根っこを切った中心部分
ですね。では、その中心部は千年間生き続けてきたのでしょうか?実は死んでるんですね。

だから洞になっても生きていられるんですね。
 

生きているのは、形成層とその内側、辺材(白太)と呼ばれる部分だけなんだそうです。

それ以外は風雪に耐え、本体の重量に耐える堅い細胞膜だけが残っているのです。(*2)

細胞を生かしておくためには多大なエネルギー(栄養)を必要とするから、

生存戦略としては合理的なのです。そして、殻だけを残した細胞壁は多孔質となって、

調湿機能で正倉院の宝物を守ったり、炭にすれば、さらに多孔質となり、

臭いの吸着までやってのけます。

 

改めて巨木を観ると、空気中の炭酸ガスと水だけで、あんな巨大になるとは、

その偉大さに唯々心腹します。実際は、二酸化炭素と水と光でブドウ糖を作り、

それをセルロースに作り替えています。廃棄物が酸素です。これが人工
的に出来ればそれこそ新しいエネルギーとして、未来が開けそうです。


今年も残り1/3となりました。新しい首相の下で、新しい生活様式(ニューノーマル)と
いう、「新しい明日」が広がっています。「新しい」と聞いても、なんかワクワクしないの
は「夢」や「希望」と言う文字が欠けているせいでしょうか。


*1:木の組成はセルロース、ヘミセルロース、
リグニンという、食物繊維で出来ています。植物
には窒素、リン酸、カリが必要と習いました。窒素
は葉っぱや新芽、リン酸はDNAの構成要素、カリ
は根の発育に必要と言うことで、いわゆる木材の
部分の構成要素ではありません。


*2:正確には、冬を越せるのは白太の中の一
部分、柔細胞と言われる部分だけなんだそうです


*3:トヨタ自動車が人工光合成に成功したと
話題になりました。光合成の効率が太陽電池ほど
上がれば、さらに地球に優しいエネルギーとして
実用化出来るそうです。実現して欲しいものです。