作り方はその①で

 

土井氏のポテトサラダの基本は余り混ざりすぎないのが美味しいということですが、各素材が渾然一体となるのがいいのか、それぞれの味が主張し合いながらもハーモニーを醸し出すのがいいのか。皆様はどちらがお好きでしょう?  

 

渾然一体かハーモニーかは料理だと好き嫌いで済ませられますが、人が集まる組織となると大変難しい問題です。

 

例えば「トヨタ」方式のように下請け孫請けまで開発に携わり、それこそ一体となるとき、限りなく強みを発揮します。他方、イノベーションが生まれる土壌は「多様性」だと言われており、各人が個性を殺すことなく多様な意見をぶつけ合うことでこそ、生まれるのが新たな発見や発明と言うわけです。日本の教育現場のみならず親も含めて、「皆と同じことが出来ない」「同じ行動が出来ない」事をとがめ、均一、同質をよしとする価値観からは、マイクロソフトもアマゾンもグーグルもダイソンも出てきそうもありません。

(平昌オリンピックのパシュートは、一体性を強みとして生かしたいい例ですね。)

(このブログは毎月10日頃発行の弊社ニュースレターを元にしていますので平昌の開催前に書いています


その流れのイーロンマスク氏(*1)を見ていると、かつてのレオナルドダビンチを思い出します。ダビンチは建築、彫刻、絵画など多才です。ガリレオガリレイも同じように多才だと思います。まあ、その当時の社会は分業がすすんでいなかったので、何でも出来たのでしょう。


今は分業化や細分化が進んだ効率社会です。その分業化した組織の効率を越えたところで一体感を持てるのが日本の凄さ。分業化の逆とも思える各個人の能力を徹底して考え、結果として全体効率が「超える」米国、なんて構図が浮かび上がってきました。(*2)


日米の学生に水槽に魚が泳いでいるアニメを見せ、何を見たか説明させると、米国の学生は泳ぐ魚の特徴を捉えて説明し、日本の学生は水槽全体の説明する傾向にあると言います。(*3)医学にたとえると限りなく小さくミクロの世界まで分解して追求し、全体への役割を考える西洋医学と、東洋医学の全体に対する作用に注目する違いでしょうか。


結局どちらかに片寄りすぎるのは良くない。ちょうど中間のバランスが取れたのがいいと思っています。でも、果たしてどの当りが片寄らず調和が取れたものなのでしょうか?


それは大自然から学ぶ事が出来ます。「美しさ」に答があると確信しています。見た目はもちろん感性だけでも「美しい」と感じたら、バランスが取れている証拠となります。


因みに受験シーズンまっただ中、受験生諸君、選択問題で迷ったら、自分が一番美しいと思った回答に丸を付けよう。合格間違い無しだ。もちろんこの発言に「責任は一切持たない」という私のことばは、今の場合一番美しい!


*1:未来を変える天才経営者と称され、人類を火星に移住させると言ってスペースX社を立ち上げ、夢物語と批判を浴びたが、民間で初めて、しかも1/10のコストで地球軌道に衛星を打ち上げることに成功。その後電気自動車のテスラモーターズ、太陽発電「ソーラーシティ」にも出資、人類を救うという壮大な計画を実行に移している人物。


*2:働き方改革が政府主導で進められ、労働時間短縮が命題となっていますが、そもそも会社が求めているのは、各人の労働時間の提供ではなく、質の高いクリエイティブな仕事です。その仕事から生み出される付加価値が企業価値を形成しています。


*3:ミシガン・フィッシュ課題と呼ばれる実験で、(アルバータ大学、増田貴彦教授)水槽の中を泳ぐ魚の映像を見せ、それがどんなものだったかを米国人の学生と日本人の学生に答えさせる、というもの。日本人の答えは、「藻などが生えた池」などと、まず背景を述べたあとに、魚に言及するものが主流。ところが、アメリカ人の答えは、「三匹の魚がいて、一匹は大きかった」など、映像の中心部についての説明が多く、水草などの周辺情報について触れることは少なかった、というもの。

 

   大塚滋