ものづくり天文学。 | Supermassive Black Hooooole!!

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物理・天文・音楽(MUSE)・野球好きな東北大生のブログ。
あと、たまに毒を吐きますよ。

前ブログの通り、

3・4限は天体測定学Ⅰをやりました。


この授業では、

可視光や赤外線を用いた天体観測の方法を学びます。


先生は、観測装置の開発の第一人者だそうで、

すばる望遠鏡に赤外線観測装置を取り付けて、宇宙地図を作成したり、

南極に望遠鏡を建設して、系外惑星を観測したりしている、

I先生です。


授業の最初の時に、

先生がやっていた(orやっている)、上のような研究を

パワポ使って説明してくれましたが、

いや、ホンマにすごいなって感じで、

驚きました。


何に驚いたかと言うと、

大学院生が上のような研究プロジェクトに参加して、

自分で一から観測装置を設計してしまういうことです。


宇宙地図の作成の研究で言うと、

遠い銀河を観測するには、赤方偏移という現象により、

赤外線を使った望遠鏡が必要になってきます。

そこで正確な地図を作るには、世界でトップの精度・観測範囲をもつ

赤外線望遠鏡を自分で作る必要が出てきます

(そこら辺にある望遠鏡では、同じような結果が出ないんで、

それを上回るような望遠鏡は自分で作らなければならない)。


で、その望遠鏡を設計してしまったのが

大学院生なんだそうです。


もちろん一人で全部作るわけにはいかないんで、

「レンズ担当」「制御システム担当」などに分けて、

各自設計という形になります。


当然、設計には時間がかかり、実際、

修士課程の間に基本設計を作って、

博士過程の間に装置組み立てて、観測・データ解析を行う、

という感じになったそうです。


その基本設計を作るために、

ゼロから「天体測定学」を勉強してから

設計に取り掛かったという人もいて、

そこから実際に観測装置を設計するっていうんですから、

凄いですよね。


また、設計図ができたら、それをメーカーに渡して、

部品を発注してもらう必要があるのですが、

「大学院生が作った設計図なんか信用できね。」

とメーカーが難色を示していたが、

アメリカにいる測定装置開発のプロフェッショナルに

その設計図を見せたら、

「すげーいいじゃん。」

と言われ、無事発注することができた、

というエピソードも。


そうしてできた観測装置を使って、実際に観測したら、

ものすごく高精度で、100億光年(だっけ?)以上先の銀河を

観測して、世界中を驚かしたそうです。



とまあ、そんな感じの話を聞いて、

アイランドさんが言ってたように、

I先生のもとで研究やったら、世界トップレベルの装置屋さんになれる

ってのは、本当だな、って思いました。


0から勉強して、1から設計してしまうんだからな~。



装置系に興味もったら、

I先生とこに行くか…。